幸福感の限界とセミリタイア生活

世帯年収1500万円と幸福感の関係

世帯年収が1500万円に達すると、
それ以上収入が伸びても幸福感が増えないというデータがあるらしい。

限界効用の逓減という現象らしいが、
この金額は現役世代の収入のため、
リタイア後の生活に当てはめて考えてみる。

リタイア後の生活コストと支出

現役時代は住宅ローンや教育資金、貯蓄や保険など費用がかさむ。

これらの金額をそれぞれ15万円、3支出合計でざっくりと月45万円と仮定する。

手取りの給与からこれらを差し引くと、
自由に使えるお金が月45万円位となる。

令和元年の調査によると、65歳以上の高齢者世帯(夫婦2人)の平均生活費は22万円で、「ゆとりのある生活のためには、あといくら必要か」という質問に対する平均が14万円だったそうだ。

これを合計すると36万円となるので、
確かに月に45万円あれば
「これぐらいの収入があれば幸せだ」
という金額だろう。

しかし、これだけの金額があっても、
贅沢三昧ができるという金額ではないので
支出のコントロールは必要だ。

節約が重要という意味ではなく、
基本的な生活コストを低めに維持するのが大事だと思っている。

セミリタイア生活の理想と現実

私の持論は「生活固定費のレベルを下げる」という考えだ。

贅沢や予想外の出費があってもなくても、
毎月確実に支払わなければならない費用が生活固定費だ。

この部分はできるだけ低く抑え、
その上で自分のメンタルを保つための贅沢や交際費を自由に使うことができるのが安定したリタイア生活だと考えている。

セミリタイアを始めて10年以上になるが、
収入や支出のコントロールでは、
色々と失敗を重ねている。

最大の失敗は「カタチから入って固定費が高止まりした」という失敗だ。

2011年から海外セミリタイア生活を始め、
自分なりに「住みやすい街」と「働きやすい環境」を探してきた。

自分なりの
「海外セミリタイア生活の理想像」
のようなものがあり、
それを実現しようと頑張ってきた。

理想のスタイルというのは、「毎月、ビジネスクラスで日本と海外を往復し、メイドのいる高級コンドミニアムに住み、高層ビルに眺めの良いオフィスを構え、秘書とお抱えの運転手を雇う」という壮大な夢だ。(°▽°)

そして、私はこれを実現した。

2017年から20 22年までの足掛け5年間、
実際にこの生活をしていた。

マイルの達人なのでビジネスクラスに乗るのは殆ど費用がかからないし、すでに日本には秘書がいる。

秘書を雇っているというと大会社のように聞こえるが、私の場合はミニマムカンパニーという考えで「プレイヤー1人+秘書1人」という最小規模のマイクロカンパニーだ。

お抱えの運転手を雇うというのも、
配車アプリ・Grabの予約機能を使って
「好きなときにハイヤーを呼ぶ」
という形で実現した。

海外で暮らす場合、掃除や洗濯、買い出しなどの面でメイドさんを雇うと生活が格段に充実する。

週一回来てもらうだけなら、1回あたりは、
1000バーツ(約4000円)も払えば充分だ。

大都市中心部の駅から徒歩数分の場所にある外国人向け高級コンドミニアムでも、
35平米程度のスタジオタイプであれば2〜3万バーツ (8〜12万円)で借りることができる。

だから「高層ビルに眺めの良いオフィスを構えいる」という部分以外は、
ごく普通の生活なので、
別に驚く事でも何でもない。

エアビー事業とコロナの影響

その頃に手がけていたエアビーの民泊事業が予想外に好調で、憧れの「眺めの良いオフィス」を手に入れることができた。

場所はバンコクに住んでいる人なら誰でも知っているインターチェンジタワーの33階で、2022年にAPEC首脳会議の会場に隣接する大きな公園を見下ろすことができる絶好のオフィスだった。

オフイスからの眺め

これはオランダに本拠地を置くRegus(リージャス)というレンタルオフィス世界最大手の会社が提供しているもので、月極でオフィスをレンタルすることができる。

もちろん会社登記もできるし、様々な秘書サービスも付いており、日本の上場企業の現地事務所もたくさん入居していた。

月3万バーツ(当時で10万円強)の家賃も、
事業が好調だった頃は苦にならなかったが、
コロナ禍の洗礼を受け、
あえなく撤退となってしまった。

コロナという人類史上誰も経験したことのない事態だったので、
自分の選択が失敗だったとは思わないのだが、
今振り返ってみると撤退の決断が遅かったことが失敗だったと反省している。

結果的には1年以上無駄な家賃を払っていたことになり、その総額を考えると今でも自己嫌悪にさいなまれる。