マーケティングに活かす行動心理学

マーケティングと行動心理学の関係を詳しく説明してくれる影響力の武器には、大きく分けて5つの原理が紹介されている。

マーケティングと 行動心理学の結びつき

以前にも紹介した返報性の原理や、
コミットメントと一貫性の他にも、
社会的証明、行為、権威などの概念が紹介されている。

影響力の武器の本編で紹介されている5つの原理について、著者らがどれだけのページ数をさいたかを調べてみた。

その結果、先ほど書いた「コミットメントと一貫性」と「社会的証明」の2つが、他の項目に比べて30%近くもページ数が多かった。

「コミットメントと一貫性」と 「社会的証明」の重要性

この2つの原理を詳しく学ぶだけでもかなり勉強になるので、今回は社会的証明について説明してみる。

社会的証明というのは、簡単に言えば「他人がやっている事には、それなりの合理性があると判断する」という真理だ。

「スタジオ笑い」を例にした 社会的証明

影響力の武器の中で最もわかりやすい例として紹介されているのが「スタジオ笑い」という事例だ。

日本語にすると少し変な言葉だが、
テレビのワイドショーで「おおっ」とか「へぇー」というように、会場からのどよめきのように聞こえる録音済の笑い声や感嘆のことだ。

要するに、みんなが笑うということは、
このネタは面白いはずだと思い込ませる
マーケティングのテクニックだ。

人間は「必要性ではなく欲求で行動するので、
いくら「面白い」「すごい」と強調しても、
それだけでは人間は動かない。

もう一つ、人間には「等身大の自分を見て動き出す」という心理があるので、影響力の武器で紹介されている「スタジオ笑い」というのは、これらの人間の心理に沿った行動を促すテクニックなのだ。

効果的な集客戦略への応用

だからコンサルタントとしてクライアントの集客を図る場合は、自分の提供しているサービスの必要性を強調するのではなく、
「多くの人がこのサービスを使っている」
という部分を訴求するのが合理的な方法だ。

クライアントがゼロの段階でも、
問い合わせや質問などの事例をもとに、
「〇〇のような業種の方々が関心を寄せています」とか、「〇〇に労力を割かれている業種の方々からのお問い合わせが増えています」などのようにアピールする。

数が多ければ、さらに対象を絞って「等身大の自分」が見えるような表現にすれば、さらに説得力が高まるはずだ。