海外生活の魅力と現実: 物価とライフスタイル

海外生活の魅力と現実

海外生活の魅力の1つに物価の安さがある。

サイドFIREでもアーリーリタイアでも、
あり余るお金があるわけではないので、
生活コストの管理は非常に重要だ。

コロナ後の円安で以前ほど割安感はないが、
それでも東南アジア各国の物価が安い。

大都市の生活コスト

しかしバンコクやホーチミンのど真ん中で
外国人として生活するとなれば、
相応のコストを覚悟しなければならない。

どちらの都市にも大勢の駐在員がおり、
彼らと同じように日本人向けスーパーで買い物をして、和食レストランで食事を楽しむという生活では日本以上にコストがかかるだろう。

一方、現地に住むタイ人のアッパーミドルの生活レベルであれば、
まだかなり安く手に入れることができる。

バンコクの都市発展

よく言われるように、東南アジアの大都市は50年ほど前の日本を再現しているので、
公共交通機関がどんどんと拡大している。

特にバンコクは相当なスピードで郊外に向かって都市圏が拡大している。

私がバンコクに住み始めたのは2015年頃からだが、まだBTS (都市交通システム)の路線は2本しか開通していなかった。

日本人居住者に人気の路線はバンコク都心部を東西に貫くスクンビット線で、
中心部のアソーク駅から東に向かってプロンポン、トンロー、エカマイ、プラカノンあたりまでが日本人が多く住むエリアだった。

その隣のオンヌット駅周辺は、まだ居酒屋が数件あった程度で、コンドミニアムやショッピングモールが建設中だった。

今ではこれらの建物も全て完成し、
中心部より物価が安いため、
特に若手の日本人居住者に人気のエリアとなっている。

郊外に延びた路線の駅周辺は再開発が進み、
徒歩数分以内のエリアに高級コンドミニアムが建設されており、
その周囲にはショッピングセンターやマーケットなどが集積する。

地方都市での生活の魅力と課題

こういったコンドミニアムを賃貸して生活するスタイルが現地のアッパーミドルのライフスタイルとなる。

しかし、かつての日本の大都市がそうだったように、バンコクの賃貸住宅では圧倒的に大家の力が強い。

更新期限が来れば、ほぼ間違いなく10%前後の家賃アップが通告される。

交渉の余地がないわけではないが、
「イヤなら、すぐ出て行け」
というのが当地のスタイルだ。

家賃だけでなく円安と現地の物価高も進み、
かなり余裕を見た予算を立てていないと、
アッという間に資金不足に陥ってしまう。

人気居住エリアが郊外に拡大していく様子は、
かつての日本と全く同じだ。

物価や家賃の上昇に合わせて徐々に郊外に拠点を移していくのも1つの方法だが、
それを2~3年毎に繰り返すのも面倒なので、
思い切って地方への移住を考える人もいる。

「東南アジアは以前ほど安くはなくなった」というのは大都市の話であり、
地方都市の物価はまだ安い。

私はもともとメコン川が大好きなので、
「メコン川を眺めながらのんびり暮らすのも良いかもしれない」などと思って、タイの東北部・イサーン地方を巡ったことがある。

ナーガ像で有名なナコンパノムやサコンナコーンなどを巡って見て物価の安さに驚いた。

注意が必要なのは大都市と地方都市を結ぶ交通網が未整備なことだ。

日本のように鉄道と高速道路が完備していて、
殆ど時刻表を気にしなくても良いほど電車やバスが走っているわけではない。

日常生活は問題がないのだが、
日本語が通じる病院が殆どないことや、
しっかりとした和食を楽しむレストランがないことも問題だ。

地方都市の生活の現実

だから単に安さだけを求めて地方都市での生活を考えるのは、よほど現地に詳しくなければ簡単ではないということがよくわかった。