東南アジアの醍醐味・ 3倍速セミリタイアライフ

10年以上もセミリタイア生活を続けているが、
うまく続けて来れた理由は、
時間や人間関係の自由が得られただけではないと思う。

海外での贅沢にはブレーキをかけない

確かに、好きな時間に仕事を始め、
誰にも煩わされることなく1日を過ごすことができるのは、
とてつもなく自由で、とてつもなく幸せだ。

とは言え、それだけでは生活にハリが出ないし、
誰だって遊んだり贅沢をしたりもしたくなる。

私は、十分な貯蓄や資産形成が終わってから
セミリタイアを始めたわけではなく、
ある時点で

「生涯現役で老後の不安をなくす」

と決意して、

この生活を始めたので、
最初の頃はそれほど経済的なゆとりがあったわけではない。

日本国内で息抜きや贅沢をしようと思えば、それなりの費用がかかるが、
東南アジアのであれば、ざっくり3分の1のコストで
いろいろなことができる。

2016年頃、アンコールワットで有名な

カンボジアのシェムリアップで、

しばらく生活したことがある。

アンコールワットで有名なシェムリアップ

バンコクからのリピートで、
日本→バンコク→シェムリアップ→バンコク→日本
というような行程を繰り返していた。

この街はアンコールワットの遺跡しかない100%の観光地で、
他の観光地と同じく、欧米人向けのバーやレストランが立ち並ぶ
その名もズバリの「パブストリート」という通り

シェムリアップのパブストリート

いつ行っても賑やかだ。

この通りにはあちこちにトゥクトゥクという
オートバイに座席をつけたような三輪タクシーの
運転手が客引きをしている。

普通であれば客引きに声をかけられても
振り切る人が多いと思う。

「怖いもの見たさ」客引きに誘いに乗る

ただ、私は時々

「怖いもの見たさ」

で、こういった客引きに誘いに乗ることがある。

もちろん、多少は街に慣れてからの話だし、
怪しげな雰囲気を嗅ぎ取る嗅覚に多少の自信があってのことだ。

このシェムリアップで声をかけてきたのは、
シューンという小柄なカンボジア人だった。

後で話を聞いてみたら、高校時代に日本との交換留学生で
奈良県の高校に1年間留学していたことがあるという、
普通の青年だった。

彼らは、色々なお店からバックマージンをもらうのが収入源であり、
その時も、トゥクトゥクで10分以上走って
郊外にある大きなレストランに連れていかれた。

レストランといっても、いわゆる「接客を伴う飲食店」だ。

シューンは顔立ちも穏やかそうで、安心していたのだが、
走っているうちにだんだん周りが暗くなってくる。

ピンクや紫のネオンに一瞬、ひるむ

ようやく着いたところが、
ピンクや紫のネオンが煌めいていたので、

一瞬、「まずいかな」と思い、
とっさに頭の中で所持金の合計を計算したりした。

結果的には、ママさんにもビールをおごり、
1時間半ぐらい飲んだり騒いだりして、100ドルもかからなかった。
帰りがけに20ドルのチップを渡すと、一瞬驚いたような顔になった。

当時のレートで100ドルは1万1000円位なのだが、
感覚的には5万円位の使い出があった。

カンボジアでは5倍位の使い出

東南アジア各国の物価水準は、

タイ→ベトナム→カンボジア→ラオス

というような順番で、

それぞれ日本の3倍>4倍>5倍>6倍位の使い出がある。
ただし、これは1ドル100円前後の円高だったときの感覚なので、今は何割か割り引く必要がある。

こういった遊び方ができるのも、東南アジアの醍醐味で、
日本で稼いでアジアで使うというライフスタイルは、
3倍速セミリタイアライフということになる。