セミリタイアの定義と予算

セミリタイアの定義はいろいろあるが、
私の考えでは、
人間関係の自由・時間の自由・場所の自由
の3つの自由を手に入れた状態だ。

年金生活者のような完全リタイアではなく、
働いて必要十分な収入を得ながら、
なおかつ、3つの自由を手に入れるのがセミリタイアだと思っている。

フリーランスの自由と挑戦

その場合、働く時間はあまり関係がない。
好きなことを仕事にしていればサラリーマンよりも長い時間働くこともあるが、
煩わしい人間関係に縛られず、
好きな場所で仕事をして、働く時間を自由に決められるのがセミリタイアの特権だ。

この3つの自由のうち人間関係の自由と時間の自由はフリーランスで仕事をしていれば必然的に手に入る。

働き方のスタイルにもいろいろあるが、
基本的には「イヤ仕事はしない」ことがフリーランスの特権だと思うので、
人間関係の煩わしさや時間の拘束を強いられる仕事を選ぶ必要はない。

場所の自由を得るための戦略

そう考えると、3つの自由のうち一番実現が難しいのが場所の自由かもしれない。

フリーランスであれ個人事業主であれ、
仕事場は必要なので、「好きなところで仕事をする」のは簡単ではない。

ノートパソコン1つで働きながら各地を旅するノマド的な生活に憧れる人も多いが、
完全なノマド生活は簡単ではない。

もちろんそれで出来る仕事もたくさんあるので、経験してみるのも悪くはない。
若いうちの数年間、そういった生活を体験するのも良いと思う。

ただ、ケタ外れのスキルがあれば別だが、
一般的に考えられているノートパソコン1つでできる仕事というのは、
安定性という意味では疑問が残る。

長期安定のビジネスモデル

10年前であればホームページ作成の仕事は
「できる人が少なく、求めている人が多い」
という需給関係のアンバランスで十分な収入を得ることができたが、
今の時代にそれでセミリタイア生活を支えることはできない。

その他にも「今なら、それで充分食える」という仕事はあるが、
若いうちの数年間を支えるのではなく、
これから20年、30年という長期のセミリタイア生活を支える仕事としてはかなり厳しい。

そういった「一時的な需給のアンバランスで生まれたビジネスモデル」ではなく、
長期的に安定した収益を生むことができるビジネスモデルとは、
コツコツとクライアントを獲得していく蓄積型のビジネスモデルでなければ難しい。

しっかりとクライアントを確保して、
質の高いサービスを提供し続けていくには、
どうしても固定された仕事場が必要になる。

いくらリモートワークが便利になってもリアルの世界は残るので、完全なノマド生活とセミリタイア生活は両立しない。

ただ、それでは仕事場に縛られてしまうので、
そこからどれだけ離れることができるかが、
セミリタイアの完成度を高めるのだと思う。

そのためにはリモートワークのスキルを高めることに精力を注ぎ込まなければならない。

単に「リモートで仕事が出来る」というレベルなら誰でもすぐにできる。

そうではなく、緊急の事態が起きた時や、
納期が間に合わない時、
あるいはネットの不調でリモートワークそのものができなくなる事態なども想定した仕組み作りが必要となる。

こればかりは場数を踏まなければ習得できないが、それをすることによって場所の自由・移動の自由が手に入ると考えれば、
ある意味の知的なゲームと捉えることもできる。