上海・大連:歴史と選択肢が魅力

東南アジアに拠点を移す前は、上海と大連に通っていた。

なぜこの2つの都市を選んだかというと、
日本との縁が格段に深い街だからだ。

歴史好きの長期滞在に適した街は

私は歴史が好きで、明治時代に中国から大勢の留学生が日本に来ていて、
その頃のドラマや物語は大好きで、
上海と大連はダントツによく登場する。

2023年に亡くなった坂本龍一の代表作ラストエンペラーの舞台になった満州国というのは、
日本の傀儡国家と言われているが、
形としては日本の領土になった事はない。

同じ中国東北地方でも、大連と満州とは違い、
大連市は日露戦争の結果、40年ほど日本の領土となっていた。

そのため旧制中学も旧制高校もあったし、
日本人が暮らしていた街や建物などがたくさん残っている。

上海も同じで、今でも旧日本人居留地には東本願寺が残っており、官民総出で侵略を進めていたかが良く分かる。

この他にも、映画や小説に出てくる舞台がたくさんあり、歴史が好きな人が長期滞在するには断然オススメの都市だ。

中国の博物館や資料館の規模は巨大

何しろ博物館や資料館の規模が半端なものではない。

正確なデータはわからないけれども、
歴史的な建物や文物保護にかける予算は、
おそらく日本の何倍にもなると思う。

ありがたいことに、史跡や歴史スポットの掲示物が漢字で書かれているので、
とりあえずの意味はすぐ理解できることだ。

日本や台湾で使われている漢字を簡略化した簡体字は、少し覚えると便利。よく見ると、半分位は同じ漢字だ。

 

それに比べて、東南アジア各国の博物館の規模や史跡保護などのレベルは、中国には遠く及ばない。

中国の都市部では物価もどんどん上昇しているし、円安・元高も進んでいる。

中国も人口減少が始まったようだが、
日本と中国の経済力や科学力の差を考えると、

これから先に円高・元安が進むとも思えないので、中国でのセミリタイア生活は少し難しいと感じている。

コロナ前までは、中国に寄ってから東南アジアに向かうとか、
東南アジアからの帰路に中国に立ち寄って、日本に戻るという生活を繰り返していたのだが、

それがコロナで中断してしまった。

さらに悪いことに、2022年からは、中国では香港と台湾を除きエアビーが使えなくなってしまった。

ノマドには不便なエアビーが使えない国

中国にはエアビー以上に便利な民泊サイトがたくさんあるが、
世界中で使えるエアビーが使えないのは痛い。

私が考えているローコストライフを実践するには、エアビーのように「ピンからキリまでの選択肢」がある宿泊サイトは絶対に必要だ。

私がバンコクを拠点にセミリタイア生活を続けているのは、Airbnbのおかげでバンコクにハマったからだった。

労働時間を少しずつ減らしながら、
なおかつ安定した収入を確保するのは簡単なことではない。

常に仕事が順調で、お金の心配がないとは限らないから、

「ホテルは4つ星以上でなければダメ」とか「最低これだけの生活は必要」

などのように、ライフコスト(生活固定費)が高止まりすることは非常に危険なことだ。

だから私は今でも時々、ドミトリーやシェアルームにも泊まる事がある。

こういったメリハリのあるライフスタイルを送るためには、選択肢が多いことが前提なので、
エアビーが使えるか使えないかは大問題だ。

そう考えると、中国は移住先や長期滞在先としてではなく、1週間とか2週間、ゆっくりと博物館や資料館などを見て回る旅行先と考えるのが良いようだ。