東南アジアでは、日本のように意識がはっきりしているわけではなく、1年は暑い季節と雨季と乾季の3つに分かれていることが多い。
寒気はクールシーズンとも呼ばれ、日本も5月のカラッとした季節のようで、とても気持ちが良い。
その分、暑い季節は最高気温が40度にもなる。
東南アジアの気候と季節の変化
一番注意が必要なのは、やはり雨季の過ごし方だ。
日本の梅雨等とはレベルが違い、注意していないと
「生活に支障が出るレベル」
ほどの雨が降る。
日本では豪雨の季節になると、よく「滝のような雨」とか
「たたきつけるような雨」というが、そんな表現がかわいいと思えるような激しい雨が降る。
私が初めて
「これが東南アジアの雨なんだ」
と感じたのは、マレーシアの首都クアラルンプールを旅している時のことだった。
東南アジアの雨季とその特徴
ショッピングセンターの広場の前で雨宿りをしている時、地元の人たちは、スマホを見ているかおしゃべりをしているかどちらかで、
「いつ雨が上がるだろうか?」
などと心配しているのは、私位のものだった。
その時の雨のイメージは「太い雨が落ちてくる」という感じだった。
「雨が降る」というイメージではなく、
「棒のような太い雨の柱が落ちてくる」
というイメージなのだ。
視界も悪くなるし、周囲は雨の音で騒然とした雰囲気となる。
大体は午後3時ごろから1時間くらい、猛烈な雨が降り、暫くするとピタッと止んでしまう。
そしてまた翌日になると、午後から夕方にかけて、同じように激しく降り始める。
これが2ヶ月ほど毎日のように続く。
これが雨季の特徴だ。
このあたりのことがわかっていれば「そういうものだ」と受け入れることができるのだが、問題は時々起こる洪水だ。
洪水といっても、河川が氾濫するというような災害レベルの話ではないが、
時には市内の幹線道路が水浸しになり骨が麻痺してしまうことがある。
地元の人たちは、「昔に比べれば水ハケは良くなった」というのだが、要するに降水量と排水量の関係なので、
これも受け入れざるを得ない。
東南アジアの雨季生活と注意点
慣れない者にとって注意が必要なのはサンダル履きの時だ。
この季節はサンダル履きが1番合理的だ。
水が冷たいということもないので、水が溢れていても、歩き出してしまえばそれほど困る事はない。
ところがうっかり何かにひっかけ、「あ、まずい」と思った瞬間に
足を傷つけてしまうことがある。
日本は高齢化社会が進んでいるので、バリアフリーの面では相当に進んでいるのだと思う。
道路や歩道でなにかに足をぶつけるとか、何かが引っかかるという事はほとんどないが、
東南アジアの場合は、首都級の大都市でも、まだバリアフリーというにはほど遠い状況だ。
所々に「これは、、、危ないだろう、、、」
と思うような障害物が普通にあるのだが、
それが水面下に隠れているとなれば、かなり怖いことになる。
まだバンコクに慣れない頃はリュックに折り畳み傘を入れたりしていたのだが、
そんなものは役にも立たないので、最近では地元の人と同じように、ただ気長に待つことにしている。
そういった
「雨には勝てない」
「1時間待てば元に戻る」
というあきらめの気持ちをもつ余裕が、
ユッタリとした生活につながっていくのだと思う。