本物のクールジャパンは和食ブームだけ

日本国内のニュースやネットで流される、
「いま世界で日本の〇〇が大ブーム」
などというニュースは、
十中八九はウソか一時的なブームだと思う。

10年くらい前に政府が始めた

「日本のアニメやファッションがクール」

というコンセプトのクールジャパン計画というのを聞いて、

「こんなものは間違いなく失敗する」

と思っていた。

クールジャパン計画の失敗は天下り団体の責任

案の定、旗振り役になっていた経産省の天下り団体・クールジャパン機構は、2022年に300億円以上の赤字を出して潰れてしまった。

大体、お役人がやるビジネスなんて成功した例がない。

私たち零細企業の経営者やフリーランスワーカーは「生活がかかっている」から、

絶対に利益を出そうと寝食を忘れて取り組んでいるが、
天下り団体の連中は、「まぁ、補助金があるから」という呑気な姿勢で仕事をしている。

こんなものが勝てるはずがない上に、
そもそも「日本の文化はクール」などという思い上がりで始めた事業が成功するはずがない。

ところが、1つだけ本物なのが和食ブームだ。

バンコク市内では、どんな和食でも食べられる

 

東南アジアでの和食レストランの繁盛ぶりは半端なものではない。

ホーチミンにしてもバンコクにしても、
日系の居酒屋はとにかく流行っている。

中には閑古鳥が鳴いている店もあるが、
そういった店は「そもそもまずい」お店か、

現地のスタッフをうまく育てるマネージャーに恵まれなかった店だと思う。

日本国内である程度の基盤のできた居酒屋であれば、まず間違いなく成功すると思う。

そもそも和食はアジア人のクチに合う

というのは、まだ和食ブームはバンコクやホーチミンなどの首都級の大都市に限られているからだ。

ピザやパスタがブームになるのとは違い、
そもそも和食はアジア人のクチに合うのは当たり前の話で、

その上に食材が新鮮で人件費が安いとなれば、これはかなり有望なビジネスだと思う。

タイ人のお金持ちたちの間では、
日本人の板前さんや飲食店のマネージャークラスの人材に出資して「和食の店を持たせる」というのが、1つのステータスになっているそうだ。

このビジネスで絶対に必要な条件は、
現地のスタッフと仲良く仕事のできる日本人マネージャーの存在と、

もう一つはタイ人のリーダー格になれる日本語のできるスタッフの確保だろうと思う。

私は飲食の世界は全く経験がないのだが、
仕事でお付き合いしている社長さん達の中には飲食店を経営している方も何人かいる。

その方々のお話を聞くと、「おいしい料理を作るのは難しくない」らしく、ポイントとなるのは食材と人件費のコントロールということらしい。

海外での飲食店経営のキモは人材管理

それにプラスして、海外の場合は人材の管理ということになるのだろう。

バンコクの場合は業務用スーパーや和食専門の問屋さんもたくさんできているので、
仕入れのルートは問題ないのだと思う。

ただ、年々現地スタッフの人件費も上昇しているので、仕事に慣れたスタッフをうまくつなぎ止めたり、モチベーションを与えることが大事なのだと思う。

こういった能力は語学だけではなく人間性がものを言うので、
逆にこういった能力に長けた人はものすごく貴重な存在だとおもう。

いま日本の飲食店で働いていて、

「スタッフの中でウケが良い」とか、
「新人君を育てるのはがまい」

という人がいたら、千歳一遇のチャンスだと思う。

もちろんタイ語やベトナム語は勉強したほうがいいと思うが、
何回か現地に足を運んで日常会話に困らない位のレベルになったら、
思い切って日本を飛び出してみるのも良いと思う。