東南アジアの若者文化、韓国が日本に勝る?

東南アジアでの日本車のシェアは圧倒的だ。

タイでは95%以上、インドネシアも同じ位だ。

日本車のシェアは圧倒的だが、韓国車も伸びている

タクシーに乗っていると、行き交う車は殆どトヨタやホンダ、日産などの日本車ブランドだ。

たまにBMWやベンツなどの高級車を見るが、それは大都市中心部に限られている。

しかし、中国やベトナム、ラオスなどでは韓国車のシェアもどんどん伸びている。

中国の自動車市場ではドイツ、日本、韓国などがシノギを削り、最近では中国国産メーカーも目立つ。2017年頃の成都中心部。

これは車だけではなく、
レストランや盛場など、いたるところで韓国のパワーを感じることが多くなった。

その最たるものがK-POPだ。

ここ数年で、東南アジアの若者文化は、完全に韓国の1人勝ち状態だ。

時々、「日本の文化はクール」とか

「中国や東南アジアの若者達は日本の文化に憧れている」

などという「強烈な時代錯誤」の考えをしている人がいるが、

クールジャパン計画が巨額の赤字を抱えて破綻したことからもわかるように、日本が優れているのは、こういった部分ではない。

こんな話を聞くと、本当に吹き出したくなってしまう。

韓国コスメやK-Popのシェアが伸びている

少なくとも、東南アジアの若者文化では、完全に日本は負けている。

10年ほど前は、中国のデパートの1階には、
日本の化粧品メーカーのお店がズラリと並んでいて、それは壮観なものだった。

これは日本国内のデパートでも同じで、
資生堂やコーセー、カネボウなどが超人気ブランドとして定着していた。

しかし、圧倒的に値段が高く、またプロモーションも「年寄り臭い」感じがしてしまう。

結果的には、10年ぐらい経ってしまうと、
最初の頃からの乗客たちも、年齢が上がってしまい、いつの間にか中国のコスメ界では、メインストリームから離れてしまった。

今ではコスメやアクセサリーなどでも、韓国系がどんどんシェアを伸ばし、

少女時代(少し古いかもしれないが)を始めとするK-Popブームが、
車や家電、電子製品などとシンクロした状態で営業活動を続けている。

テレビドラマや映画などでは、韓国系が圧倒的な人気を占めている。

日本映画ではアニメが多少頑張ってはいるが、いわゆるラブコメディやドラマ系では、
全く目にすることがない。

韓国のソウルに行った時、中心部の明洞には何10軒ものコスメのお店が並んでいた。

とにかく若い女の子が溢れており、アジアのカジュアル・ワールドの中心だと思う。

日本の化粧品やファッションは、なんとなくお高くとまっている感じがする。

それが高級感とか、日本の高品質の表れという捉え方もあるかと思うが、
ゴチャゴチャとした雑多な感じや、これでもか、これでもかという雰囲気がないのだ。

タイのバンコクでは、2019年の初めに日本のドンキが出店して、大人気を博している。

日本国内のドンキと同じで、

ゴチャゴチャ感や、これでもかこれでもか感が凄いのだ。

東南アジアの場合は、物販でも飲食でも、どちらかと言えば、ゴチャゴチャ感がウリのような気がする。

そういった共通項が、韓国コスメやK-Popなどの爆発につながったような気がする。

日本独自の文化があるが、日本にだけが憧れの国ではない

ただ、アジアの若者にとってみれば、日本も憧れの国の1つであり、韓国と同じ土俵で勝負する必要はないと思う。

日本には日本独特の
「きちんとした、とても清楚な文化」
があり、韓国とも中国とも違う。

ただ間違えてはいけないのは、

日本だけが金持ちで、
アジアの人々から憧れられているとか、

クールジャパンとか、
韓国や中国が遅れている
などという時代錯誤の認識だけでは持ってはならないと思う。

これはベトナムに行くとよくわかる。

この国では韓国人ビジネスマンや移住者が、日本の10倍位いるそうだ。

自動車産業だけではなく、冷蔵庫や洗濯機を始めとする白物家電や電子産業などの進出によるものらしい。

かつて日本がこのやり方で、東南アジアを席巻したように、いま韓国は国を挙げて海外展開に力を入れている。

陣取り合戦ではないが、できれば日本には韓国に負けないでほしいのだが、

残念ながら、ベトナムやラオスでは、日本にとっては、なかなか厳しい戦いになるかもしれない。