初めて海外の都市を訪れた場合、
その街の経済規模を知る事は簡単ではない。
路上駐車と都市の経済規模
都市の人口などはネットで簡単にわかるが、
それだけで単純に比較できるものではない。
ラオス第二の都市サバンナケートで食事をしている時に面白いことに気がついた。
路上駐車の台数や警察の取り締まり具合が、
その街の経済規模や発展段階と比例しているように感じたのだ。
中国とラオスの都市の違い
例えば今から10年前の大連や上海では、
路上駐車どころの話ではなく、
日本よりもかなり広い歩道の上に
ズラリと車が停まっていた。
できるだけ効率よく停めるために、
すべての車が歩道に前輪を乗り上げ、
ギリギリの間隔で整然と斜めに停まっている。
明らかに警察も車の所有者も
路駐を意識して停めている様子だった。
しかし、歩道を歩く普通の市民にとっては堪ったものではない。
バリアフリーとか歩行者優先等の感覚は全くなく、歩道は完全に路上駐車場と化していた。
インフラの整備とクルマの普及の波長が合わなかった結果だが、経済の発展段階が全く違うラオスの地方都市では、いまだに路上駐車の概念すらない。
オシャレなレストランやカフェの前には
富裕層の車がずらりと並んでいるが、
車が渋滞する事はないし、
警察が取り締まる様子も全くない。
次々と高級車がやってきて、
同じように出ていく客がいるので、
普通に路上駐車ができる。
産業と都市の雰囲気
同じ国の同じ人口の都市でも、
農業が主体なのか工業が主体なのかによって違うだろうし、
古い街なのか新しい街なのかによっても街の雰囲気は大きく違う。
観光地には旅行者も多いので、
外国人向けホテルやレストランなども多いが、
同じ人口でも産業が主体の都市では雰囲気が全く違う。
中国の大連市の郊外には、開発新区という工業団地の地区があり、
人口規模は日本の地方都市以上の規模だが、
観光客向けのレストランやカフェはゼロだ。
タイの首都バンコク郊外のシラーチャという街も同じで、多くの日本人が駐在する工業都市だが、味気のない街だ。
日本の全自動車メーカーが進出しており、
その下請け会社などを含めると1万人以上の日本人が駐在しているらしい。
こういった工業都市は、海外セミリタイアライフには適さない味気ない街だと思う。
成熟したまちづくりと経済の停滞
日本のように歩道のバリアフリーが整い、
路上駐車の取り締まりもきちんと行われている方が経済が発展しているように見えるが、
それと経済の活性とは全く別だ。
政治家は常に自分のことを考えるから、
老人大国では老人優先の活気のない街ばかりになる。
老人大国の日本は成熟した街づくりには成功したが、それは同時に停滞した経済の表れなのだと思う。