海外生活での自炊と外食の選択

海外生活では、自炊にするか外食にするかは非常に大きな課題だ。

料理が得意な人は毎日が自炊でも苦はならないと思うが、私のように基本的には外食やコンビニ食で過ごしてきた人間にとっては、

自炊か外食かは微妙な問題だ。

和食を毎日食べれば予算オーバーに

予算の制約がなければ、毎日のように和食レストランで飲んだり食べたりしても全く問題はない。

バンコクでもホーチミンでも、
日本と殆ど同じ食生活を送ることができるが、
コストは日本の1.5~2倍位は割高になるので、
ローコストライフの哲学からは大きく外れてしまう。

メガ角ハイボール、日本なら800~900円だが、バンコクの居酒屋では1400円位と割高。

かと言って、自炊をするとなると日本とは違う問題が色々と出てくる。

コンドミニアムに備え付けの電子レンジや調理器具の扱い方も慣れるまで時間がかかるし、
水道水を料理に使うことも出来ないから、
サクサクと自炊ができる人はそれほど多くない。

東南アジアのランチは屋台料理

東南アジアでは、日本に比べて「家で炊事をする」という習慣が少ない。

ベトナムの場合は、家の中で炊事をするケースも多いのだが、タイの場合は、そもそも台所がない場合もたくさんある。

暑さのせいとか、ガスや水道の設備の影響もあると思う。

一人暮らしだけではなく、
夫婦や家族で暮らしている人たちでも、

朝仕事場に行く途中に屋台や店先で朝食やランチのお弁当を買って、
職場で食べるというのが普通のスタイルだ。

中国でも似たような傾向があり、
住宅事情が日本ほど豊かでなかった2011年頃は、庶民の住宅には厨房がない場合も多かった。

その分、屋台で提供される料理のレベルは、
決して低くはない。

屋台料理は東アジア共通の文化

韓国でも似たような傾向があり、
これは日本以外の東アジアでは、
共通の文化なのかもしれない。

輪ゴムで止めたビニール袋に料理が入っていて、ベニヤ板の上に雑然と並べられているが、

この雰囲気さえ改善すれば2倍の値段でも飛ぶように売れると思う。

私は2016年から約6年間、
バンコクのど真ん中にある高層ビルにオフィスを構えていた。

コロナの影響で2022年に撤退したが、
日本なら六本木ヒルズみたいなビルだった。

場所柄、外資系の会社が集まるおしゃれなオフィスなので、
女子も男子も、会社に来る時の服装やメイクには気合が入っていて、これはヒルズも同じだ。

ところが、そのおしゃれな雰囲気とは別に、
オフィス全体に微妙な空気が流れている。

微妙な空気というのは、雰囲気ではなく、「物理的な匂い」のことだ。

通勤途中に屋台で買ってきたタイ料理を電子レンジで温めて、
普通に共有スペースで食べているから、
匂いが半端ではない。

これが当たり前の習慣なので、
慣れてくればどうという事はないのだが、
気合の入った服装とか髪型のイメージからすると、多少違和感がある。

日本では、外食と自炊の昼間に「中食」というジャンルがあるが、東南アジアでも、これは普通にあると。

屋台で買ったお弁当や料理は、
ビニール袋に入れて持ち帰るのだが、
これを電子レンジで温めて食べるというスタイルだ。

私は仕事に集中するときは、朝早く起きて、
まだ通勤客で混まないうちに
屋台のお弁当を2食分ぐらい購入して、
それを朝、昼、夜と分けて食べたりもする。

電子レンジと冷凍庫さえあれば全く問題はない。

お酒を飲まない人は食事にこだわりが多いと思うが、私のように

「酒のツマミになれば何でも良い」

という人間にとっては、
辛くて香りのあるタイ料理は、
酒の肴としては最高だと思っている。