アーリーリタイアとかFIREを目指す場合、考える順序が大事だということに気がついた。
これは後輩と話しているときに気づいたのだが、ほとんどの人が
「FIREするためにはいくら必要か」
「そのために、どうやってお金を貯めるか」
「増やすには、どうやって運用すれば良いか」
と考えるようだ。
そうすると、
40歳で4500万貯めて5%で運用するとか、
50歳で3500万を4%で運用する
などの情報がたくさん出てくる。
長期投資のリスク
もちろんそのシミュレーション通りに進めば、それで良いのだが、
2022年の株式の大暴落でもわかるように、
生活費を株式の運用で稼ぐのは簡単なことではない。
10年単位の長期で見た場合、始めた時から10年後になって、
振り返ってみれば年率平均4%という数字が出るかもしれないが、
途中には年間20%とか、年間30%の大暴落もあり、それだけ自分の資産が溶けていくのを目の当たりにした時に、
果たして「ボク、FIREだもん」とのんびりしていられるだろうか。
FXや仮想通貨のシステム売買やインジケーターなどが販売されているが、
それらの謳い文句は
「過去3年間で20%の運用益」とか
「1年間で40%の教員の成績」
などと書かれているが、大事な事は最大ドローダウンという考え方だ。
例えばそのインジケーターを使って、1年間投資を続けたと仮定する。
確かに1年後には当社の資金が40%増加するかもしれないが、それだけハイリスクの取引をしている場合は、
その途中に、
例えば3ヶ月目とか6ヶ月目に初期資金が半分になるとか、1/4になる事もあるかもしれない。
こういった時に、1年間、休まずにシステムの指示通りに投資を続けて行けるかどうかは全く別物で、この考え方は非常に大事だ。
誘導サイトに注意
ネットに溢れているFIREに関する情報の80%以上が
証券会社や生命保険会社や投資顧問会社
に誘導するためのサイトで、これを鵜呑みにしていたのでは正しいFIREはできない。
私の考えでは完全FIREはあり得ず、FIREと言えばサイドFIREであり、私の言葉で言えばセミリタイアだ。
もちろん、資産形成は続けなければならないし、運用も重要だ。
リーマンショック後の金余りが、ナスダック市場を中心に右肩上がりの株価上昇を生み、多くのFIRE希望者を生み出した。
さらに、コロナ後の大暴落のあとに、世界中の中央銀行が行ったヘリマネで生まれたV字型の株価急上昇を見て、
多くの人たちが、「やはり株で運用すればFIREできる」と勘違いしたかもしれない。
セミリタイアの現実性
しかし2021年末から始まった金利急騰による株価急落で、ネット上には「FIREやめました」「会社勤めに戻ります」と言う悲痛なつぶやきが溢れていた。
それだけの資産を築いた人だから、やり直すだけのスキルを持っていると思うが、稼ぐ力を持たないままのFIREはありえないと思う。
それも、「小遣い稼ぎ程度の副業」ではなく、自分が好きで、一生続けても飽きることのない仕事を見つけるのが最も合理的だと思う。
好きなことを仕事にすれば、長時間労働にせよ、生涯現役で働くにせよ、全く苦にならないハズだ。
スキルアップ留学の選択
何よりも、その方向に舵を切れば、
「4000万円貯まるまで我慢一筋」
「FIREのためには、今を捨てる」
という無理な人生を送る必要がなくなる。
「殆ど貯金がないので会社を辞めるのは無理」
と思っている人もいると思う。
ただ、スキルアップや稼ぐ力を身に付けるのは海外にいてもできる。
さすがに貯金ゼロでは難しいと思うが、ギリギリ切り詰めれば、月10万円もあれば生活できるので、
2年分の生活費ぐらいをめどにして、思い切って海外にスキルアップ留学に出てみるのも良いかもしれない。