東南アジアの大都市の中で1番夜遊びが盛んな街は、どこかと言えば、多分バンコクになるのだろう。
いわゆる風俗系だけに限ればマニラの方が上かもしれないが、もう少し広い範囲で考えると、多分バンコクの方が上だと思う。
バンコクの富裕層とエンターテイメント
何故かと言えば、フィリピンとタイを比べれば、まだ所得の差が開いており、
マニラを1とするとバンコクは1.5位の感覚だと思う。
バンコクでは地元の人たちの所得水準もどんどん上がってきており、さらに富裕層の金持ちぶりが半端ではない。
そのため、地元の富裕層の遊び場がたくさんあり、そういった「厚み」みたいなものが、バンコクの強みになっていると思う。
もう一つ感じているのは、
ミュージシャンやダンサーのレベルの違い
もあるのだろうと思う。
日本人や韓国人の旅行者だけではなく、欧米人の旅行者の中にも「バンコク沈没組」がたくさんいる。
最初は観光で訪れて、その街を気にいってリピーターとなり、そして長期滞在や移住へと進んでいく。
この時ポイントとなるのが「稼ぐ力」だ。
外国人の稼ぐ力と仕事の選択
完全な年金生活者は別として、30代や40代では、いくら物価水準が低いとは言え、まだ貯蓄だけで生活できる人は少ないだろう。
そういった場合に、語学教師やミュージシャン、あるいはダンサーなどで働くことができる人間は有利だ。
母国にいては、プロやセミプロとして生活できないレベルだとしても、物価水準の安い国では、少し位スキルが低くても、そこそこの収入で充分暮らすことができる。
特に欧米人の場合は、語学教師にしてもミュージシャンやダンサーにしても、
白人・金髪というだけで商品価値が出る
ので、そういった形で地元で活躍する人達が大勢いるのだと思う。
東京や大阪に比べて地価が安いため、レストランにしてもディスコにしても、大きな作りのお店がたくさんある。
テーブルが10卓位のレストランでもライブ演奏があるし、ディスコやミュージックバーでの演奏は、かなり派手で見ごたえがある。
バンコクのディスコと国際「夜」交流
外国人向けレストランやバーが並ぶ、バンコクのスクンビット・ソイ11の突き当たりに、インサニティという大きなディスコがある。
残念ながら、この店は2020年の暮れに不法営業などで摘発され、閉店となった。
かなり広いお店で、天井も高く、地元の欧米系の人たちに大人気のディスコだ。
お店の作りもダンサーのレベルも、かなり高級感があるが、入場料はワンドリンク付きで300バーツと、周辺にある他のディスコと変わらないか、少し安いくらいだ。
この店で面白いことがあった。
10時少し前に入ったので、まだテーブル席が半分ぐらい埋まっている程度だったが、音楽もダンサーたちの踊りも、だいぶ熱が入っていた。
しばらくビールを飲みながらステージを見ていて、何気なく後ろを振り向くと、
入ったときにはガラガラだった入り口近くの壁際のあたりに、ずらっと派手な女の子たちが並んでいる。
雰囲気からして、明らかに「一般の方々とは違う雰囲気」を醸し出していたので、慌てて目を逸した。
そうこうしているうちに、私のテーブルの近くの一角が急に華やかになってきた。
ロシア・東欧系のお姉さんたちが4~5人で入ってきたのだ。
入り口近くの壁際の女の子たちは、地元の子たちが多く、背はそれほど高くないが、
ロシア系のお姉さんたちは大柄で、半端じゃない存在感があった。
その中の1人の娘が、チラチラとこちらを見ているので、ビール瓶を片手に近くに行き、
「ボーイフレンドはまだ来ないのか」
と聞いたら、間髪入れずに
「いま目の前に来たわ」
と答えてくれた。
この受け答えは絶妙で、久々に感動した。
日本にいる場合は、白人&金髪の女性と目が合うと、こちらは何も悪いことをしていないのに、思わず目を伏せてしまうことが多い。
全く気にしない人たちも多いと思うが、私は照れ屋なので、どうしても目を逸してしまう。
ところが不思議なもので、私のような人間でも、こんなことが普通にできてしまうところが海外生活の醍醐味なのかもしれない。