自己破産寸前から、人生を取り戻した

10年以上、海外セミリタイア生活を続けていて、

なんといっても最大の収穫は
「人生を取り戻した」
ということだ。

2004~5年頃に株式投資を再開

実は私は2000年代の初め、
ちょうどITバブルが崩壊して
株式投資ブームが消えかかった頃に、
偶然に株式投資を再開した。

20代の後半ぐらいに少し投資をした事はあるが、

その頃は今ほどネット証券が便利ではなく、
仕事が忙しかったこともあり
途中でやめてしまった。

ただ2004~5年頃だったと思うが、
懇意にしている社長さん達や遊び仲間が

「あの株がいい、この株がいい」

と言っているのを聞いて、
久しぶりに株式投資を再会してみた。

ところがビギナーズラックではないが、
当時購入したサイボウズという株が、
びっくりするぐらい値上がりした。

200万円位の利益が出た時に
いちど利益確定をして、

その後2~3ヶ月様子を見ていたのだが、
まだ上がりそうなので、
銀行のフリーローンを組んで
さらに大きく買いました。

資産はどんどん膨らみ、有頂天に

ところが、
そこからまたグングン上がっていくので、

こんどは、その株を担保にさらに投資額を増やし、
資産はどんどん膨らんでいった。

有頂天になっていた自分は、
毎晩のように飲み歩き、
一晩で5万、10万とバンバン使っていた。

今振り返れば当たり前のことだが、

それはバブルであり、
いつか弾ける事は分かっていた。

ただ、バブルに浮かれている人間は、

絶対に
「これはバブルだから、早めに利確をしよう」
などとは考えない。

結果的には数千万の借金

少し下がっても

「まだ上がるはずだ」

と思い込み、

株価が下がれば、
またお金をかき集めて買い増しをする
ような状態だった。

結果的には数千万の借金を背負ってしまった。

付き合いのあった社長さんから、

「逃げ遅れたね」

と言われた時は、

本当に死んでしまいたい気持ちだった。
当時の年収の6~7倍の借金を背負ってしまったのだから、
重圧はかなりのものだった。

自宅も借金の担保に

それまで仕事は順調だったので、
住宅ローンだけは短期で借り入れて、
繰り上げ返済もしていたのだが、

その自宅も担保に入っており、

「自己破産寸前」

のところまで追い詰められていた。

すべての持ち株を売却して、
結局残った数千万の借金を必死で返し始め、
生活は一変した。

生活費を節約したところで、
焼け石に水なのだが、
それでも朝から晩まで年中無休で働き続けた。

とにかく毎日毎日の資金繰りが綱渡りで、
無理な営業でストレスは溜まるし、
長時間労働で体はグチャグチャになってしまった。

2008年に神風が吹く

ただ、その後、2008年になって、

まったくの偶然から「神風が吹く」ことになり、

2009年には

ちょっと、海外でも行ってみようか」

という位の余裕ができた。

中国式のお寺でのお参り

神風が吹いたとは言え、
まだ莫大な借金が残っていたので仕事はきつかったが、

それでも海外での生活は

「背中が、スーッと軽くなるような感覚」

を覚え、
これならもう少し頑張れるかもしれないと思った。

海外セミリタイア生活で人生奪還

その後は、

海外では「少しゆとりのある生活」

でストレスを解消し、

日本に帰ってきてからは必死に働くという
ライフスタイルが続いた。

それまでの数年間は、
1日中タメ息をついているような状態だったのだが、
状況が一変し、

日本に帰ってくると

「よし、稼ぐぞ!!」

と気合が入り、

また翌月に空港に向かうリムジンバスの中では
鼻歌を歌うような状態になった。

その時は人生を取り戻した等とはまだ考えなかったが、

いま振り返ると、
本当に失った人生を取り戻していた。