中国の大都市の魅力に欠ける?同じような街並みの理由

中国にもいろいろなところに出かけたが、
結局、長期滞在やロングステイの場所にはならなかった。

やや魅力に欠ける中国の大都市

冬の寒さとか物価がどんどん上がっていくなどの理由もあるが、
もう一つの理由は「どの街も同じようでつまらない」という理由もある。

中国が急激に経済発展が始まったのは、
2005年頃ではないかと思う。

北京オリンピックや上海万博の誘致が決まり、
社会主義市場経済という、
当初は荒唐無稽と思われた経済政策が、

なぜか驚くほどうまく機能したため、
年率15%以上の経済成長を続け始めた。

それまでは「人民服と自転車」というイメージだったのが、

あっという間にGDPで日本を抜き去り、
一気に経済大国になってしまった。

ショッピングモールには定番の店舗

どの大都市に行っても大きなショッピングモールがあり、
入っているテナントは全て統一されたように、

H&M、ユニクロ、KFC、マック、スタバ

などが定番で、どこへ行っても全く同じ建物が並んでいる。

もちろん中心部を離れれば、
そこには昔ながらの中国があるし、
街ごとに独特の食べ物や料理がある。

ただ外国人が住むエリアは限られ、
そういったエリアは全てがワンパターンだ。

巨大な経済大国になったとは言え、
1人当たりGDPでは日本の3分の1位で、
平均的な生活水準は高くない。

外国人が居住できる大都市の中心部では、
その街の独特な雰囲気を味わうことは難しい。

2011年頃、中国の東北部に興味があり、
ハルビンや長春など各地を回った。

ハルビンは趣のある建物が多い

ハルビンは歴史のある街で、
ロシア人も多く住む異国情緒あふれる街だが、

街の中心部は他の大都市と全く同じワンパターンのショッピングモールが並んでいるだけだ。

当たり前の話だが、
街の雰囲気は人が作るものであり、
それが出来あがるまでには長い時間がかかる。

中国は今から50年ほど前までは鎖国状態で、
海外との交流は極めて限られていた。

かつては世界有数の国際都市だったが

外国人が住み、コミュニティーを作り、
そして地元の人と交流するというような期間が途切れてしまったのだ。

第二次世界大戦の前までは、
北京や上海だけではなく、
ハルピンも世界有数の国際都市だった。

それが、その後の30年以上続いた鎖国状態で、
世代交代が進んでしまい、
街の雰囲気も大きく変わってしまった。

一度リセットがかかった街の雰囲気が、
また、かつてのように戻るためには、
同じ位の期間がかかると思う。

だから北京でも上海でもハルピンでも、
中国の大都市のホテルに泊まる場合、

観光で1週間ほど滞在するには楽しいのだが、
暮らすとなると、少し情緒がない感じがすることが多かった。