海外の物価高と円安がセミリタイアを直撃

2011年から海外ロングステイを目指して、
中国に通い始めた頃は、
今では信じられないほどの元安・円高だった。

2011年頃、中国の物価は本当に安かった

1元が11円前後の期間が長く、
中国の物価は、掛け値なしに
申し訳ない位に安かった。

その頃は上海と東北部の大連を行ったり来たりしていたのだが、
両方の都市の物価にはかなり開きがあった。

今思うと、その頃が中国の高度経済成長の始まりのような時で、
大都市部で物価がぐんと上がり、
それにつられて地方都市の物価も上がるということだったのだと思う。

地方都市とは言え大連は人口500万人以上で、
日本で言えば名古屋市位の大都市なのだが、
北京や上海に比べれば地方都市になる。

当時は大連のタクシーの初乗りが8元で、上海の初乗りが10元だったと思う。

急激な円安が進み、2015年頃には1元20円に

ところが、それから急激な円安が進み、
2015年頃には1元20円まで円安が進んだ。

私が滞在していた期間に急激な円安・元高が進んだ

私の大学の後輩で同業の社長が九州にいて、
上海の彼女に毎月仕送りをしていた。

年商2億以上で、利益率の高いビジネスをしている方なのでお金には全く困っていない。

そんな彼でも、「さすがに1元20円は痛い」と本気でつぶやいていたのを、
今でもよく覚えている。

毎月同じ金額の仕送りをするのに、1元が11円から20円になれば、約2倍になる。

さらに悪いことに、その彼女からは「毎月のように物価が上がって苦しい」と言われていたらしく、二人はほどなく別れてしまった。

この時の物価高・円安が契機となって、
私は拠点を東南アジアに移したのだが、
その東南アジアでも物価上昇が進んでいる。

中国から東南アジアへ拠点を移したのは、
最初から意図していたわけではなく、
偶然に訪れたバンコクが気に入ったからだ。

ただ、タイの物価も少しずつ上昇しているし、
このまま円安が進むことが心配だ。

だから、早めに今のようなローコストライフを続けることが難しくなる可能性も考えておかなければならない。

1元が11円から20円まで上がったような事はないと思うが、
それにしても円安・物価高に注意が必要だ。

シルバーコロンビア計画という荒唐無稽な国策

私が大学生だった頃はものすごい円高で、

シルバーコロンビア計画という

日本の年金生活者を対象にした海外移住計画

があった。

日本で平均的な年金額の20万円を貰えば、
それだけでスペインでアッパーミドルの年金生活が送れるという計画で、
経産省(当時の通産省)が国策として進めた。

ところが、今の為替レートや現地の物価水準を考えると、
とんでもない計画だったことがすぐわかる。

いまスペインの一人当たりGDPは日本とほぼ同じなので、
月20万円でアッパーミドルの生活を送れるはずがない。

ネットで調べればすぐわかるが、
この計画は荒唐無稽な計画の代表として語り草となっている。

当分はバンコクには住み続けるつもりだが、
いろいろな状況を想定して、
もう少し物価の安いカンボジアの首都プノンペンと、ベトナムの地方都市を第3の拠点候補として検討しているところだ。

まだ土地勘も生活感覚も十分ではないが、
また機会があれば報告したいと思う。