中国経済急成長と海外セミリタイア生活

上海訪問と中国経済の急成長

2009年10月に上海を訪れたのが、
海外セミリタイア生活の始まりだった。

この時から、今のような
「1年の半分を海外、半分を日本」
という生活を計画していたわけではない。

当時の中国は経済が急成長を始めたころで、
とにかく凄まじい活気だった。

一方の日本は、バブル崩壊後の金融恐慌などを経てようやく立ち直りかけた経済がリーマンショックのあおりを受けて再び失速し始めた頃だった。

中国語学習の契機と経験

それから東北部の大連、あるいは内陸部の成都や昆明をめぐり、「これからの世界経済は中国が牽引していくだろう」と思い、2011年の7月から中国語の勉強を始めた。

上海の次に訪れた大連の街が気に入って、
しばらくは毎月のように大連に通っていた。

定宿にしていたのは勝利広場の近くにある外国人には有名なマンハッタンというコンドミニアムだった。

中国の都市とその発展のスピード

最近は大連に行っていないのでわからないが、当時は日本人向けフリーペーパーが4~5種類あったと思う。

語学学校は、その中の1冊の広告を見て即決で決めた。

1対1の個人事業で1時間の授業料が60元(当時のレートで700円)という破格の金額だった。

嬉しいことに、最初に担当してくれた先生は若くて可愛く、なおかつ日本びいきという願ってもない先生だった。

海外ビジネスと新たな言語の選択

具体的に何かビジネスをするかを考える前に、
まず中国語を学ぶことが先だろうと思い、
勉強を始めた。

日本と台湾と中国では漢字が少しずつ違うが、
もともと同じ文字を使った同一文化圏なので、
ほんの少し勉強すれば、
「なるほど、そういう意味なのか」
「あ、これは高校の時の古典で習った歌だ」というように面白いように勉強が進んでいく。

少し自慢話になるが、
1人で地元の映画館に入って、
ドラマの中のウケル場面では、
周りの中国人よりも先に笑う位になった。

中国には多数の民族がいるから、
テレビでも映画でも中国語字幕がある。

だからヒアリングはできなくても、
字幕を読むだけで意味がわかる。

逆に漢字が読めるだけに、
ヒアリングや発音がおろそかになり、
「意味はわかるけれども、会話が成立しない」というジレンマにも悩まされた。

それでも何年間かコツコツと勉強して、
中国政府認定の外国人向け中国語能力試験のHSKで5級位までは楽々と進むことができた。

このときに考えた
「中国語を学べばビジネスチャンスがある」
という考え方は間違っていなかったと思うが、
中国が発展するスピードが予想以上で、
あっという間にGDPで日本を抜き、
1人当たりGDPも新興国や発展途上国のレベルを超え、一気に中進国のレベルまで達してしまった。

上海や広州の豊かさは別格

14億人の人口を抱える国なので、
全体の平均値はあまり役に立たない。

上海や広州などの大都市だけではなく、
大連や成都などの大都市でも、
1人当たりGDPは、感覚的には平均の2倍以上(2万5000ドル位)ではないかと思う。

当初、私が考えたビジネスモデルは
「中国語を学び、日本がたどってきた道を中国のビジネスマンに伝える」ことや、日本の企業や自治体に「30年前の日本と同じということを伝えてビジネスチャンスにつなげる」
のようなことだった。

ところが、とにかく社会の変化のスピードが早すぎるのだ。

当時から、私は「今の中国は、30年前の日本を早送りのビデオで見ているような感じです」と説明していたのだが、
それではとても間に合わず、
3倍速から5倍速感じだろう。

だから、これから海外でのビジネスを考えている人たちは、中国語よりもベトナム語や台北の方が良いと思う。

経済が発展する国の通貨は上昇するので、
老人大国日本の通貨で資産形成をするのではなく、外貨を稼ぐ仕組みを作らなければならない。

そのためには、まず経済の発展する国の言葉を学ぶのが1番だと思う。

それはもはや中国語ではなく、ベトナムやタイ、インドネシアなどの言葉なのだと思う。