驚きのの賄賂文化・東南アジアはドラマの世界

日本ではなかなか考えられないことだが、
東南アジアでは公然の秘密になっている。

公然の秘密、バンコク市内での賄賂要求

バンコク市内では交通違反をしたドライバーに対して、警察官が賄賂を要求する。
賄賂の相場は200バーツと決まっている。

最初は「いくらなんでも、今の時代にそんな事はないだろう」と思っていたのだが、
実際には私の想像以上だった。

ビザの更新やワークパーミットの更新などで、入管事務所や労働局で手続きをするのだが、
その時にも賄賂が必要になる。

本当に映画やドラマの世界なのだ。

これは会計事務所から正式に言われたもので、領収書も発行してくれる。
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賄賂を払うことで待ち時間が短くなるなどのメリットもあるのだが、確かにいろいろなところで賄賂が横行しているのは事実だ。

コロナ禍で賄賂の相場が上昇

笑えるのは、コロナの時に会計事務所から、

「コロナの影響で、お役人さん達も収入が少なくなったので、少し賄賂が値上がりしました」

と言われたことだ。

入管事務所には代行業者の社員やスタッフが大勢いて、カウンターの中や、一般人が入れないエリアにも平気で出入りしている。

セキュリティや個人情報保護などの見方からすれば、「これって、アリなのか?」と思うような状態なのだが、

これも全て賄賂という潤滑剤でうまく回っているようだ。

日本の役所がデジタル化で遅れているのは有名だが、タイの「アナログ(紙の資料)偏重」度合いは凄まじい。

年に一回の事だが、労働許可証を得るための書類にサインする時間は、嘘ではなく本当に20分以上かかる。

50枚以上の書類に延々とサインし続ける。

賄賂文化はあらゆる分野に及んでいて、
コロナで隔離された時に面白い体験をした。

隔離ホテルでも「袖の下」は有効だった

感染拡大の当初は、いま思うと必要以上に厳しい隔離政策が取られ、隔離ホテルでの制限は極端に厳しいものだった。

当然、アルコール類は禁止なのだが、持ち込み荷物のチェックはなく、
日本から持ち込んだ酒はフリーパスだった。

しかし2週間の長丁場なので、持ち込んだ1リットルの焼酎パック2個はアッという間になくなってしまった。

そこで私は雇っていたミャンマー人メイドに、

「賄賂を使って酒を差し入れてくれ」

とLINEを送った。

ホテルの食事は3食ともプラスチック容器に入ったお弁当で、
日本のコンビニで買えば500円程度のレベルのものだった。

さすがにこれで2週間は厳しいので、差し入れが欲しくなる。

差し入れが自由な拘置所に入れられた時は、
こんな感じだろうなとヘンな空想をした。

隔離ホテルのルールでは禁制品以外の差し入れは自由だったので、スナックやカップ麺などはいくらでも手に入る。

私はそれと一緒に、禁制品のビールや焼酎を注文した。

私が雇っているメイドは如才がなく機転も効くので、1回目はうまくすり抜けて禁制品を手に入れることができた。

日本にいる時に、人間ドックなどで

「しばらくアルコールは控えてください」

と言われれば飲まないこともあるのだが、

特殊な状況下での禁断症状は半端ではなく、
この時に、差し入れの荷物から取り出した缶ビールの感触と味は一生忘れないと思う。