バンコク夜遊び:痛恨の失敗談

バンコクで夜遊びをしていて、
1度だけお金を盗まれたことがある。

スクンビットの夜、一夜の出来事

被害額は4000 バーツ(1万6千円)なのでカスリ傷で済んだのだが、ことの経緯を考えてみるとなかなか面白い。

東南アジア最大の出会い系カフェと呼ばれるスクンビット通りのテーメーカフェ近くでの出来事だ。

最近ではお店の中に入る事は殆どないが、
周辺はバンコク最大のナイトスポットで、
時々顔を出したりする。

お店の周りにはたくさんのストリートバーが並んでおり、その中に一軒なじみの店がある。

その日は飲み仲間の後輩と5時ごろから飲んでいて、彼と別れてから、かなり酔った状態でハシゴをすることになった。

通りに並べられた椅子に腰掛けてビールを飲みながら、いつものようにスクンビット通りに並ぶ女の子たちを眺めていた。

その中に小柄だがスタイルの良い、
好みの女の子が目に止まった。

夜のバンコク、想定外の結末

最近では夜遊びにも飽きたので「お持ち帰り」はしないのだが、かなり好みの子だったので、「30分ぐらいビールでも飲まないか」と誘ってみた。

9時半を過ぎた頃で、ストリートガールたちにとっては第一ラウンドのピークで、
「チップは1000バーツ」と伝えると、
可愛らしくうなずいてついて来た。

ストリートバーはなじみの店なので、
テーブルは最初のままキープしてあり、
そこで15分ほどビールを飲んだ。

かなり聞き取りやすい英語をしゃべり、
表情も明るく、イイ子を見つけたと思った。

そこからが「なるほど、よく出来たストーリーだ」と思えるものだった。

まず、
「去年まで日本人の彼氏がいたが、別れた」、
「私は日本人が好き」、
「でも、最近は中国人と韓国人ばかり」、
「この前、韓国人がお金を払わなかった」、
「私は韓国人、大っ嫌い」
などと色々と話してくる。

どれも日本人の男が、「うん、そうだね」と思うような話だ。

その次に「イカの塩辛で日本酒飲むのが大好き」と言われれば、悪い気がする日本人はいない。

ストリートバーの場所はかなり明るい場所で、すぐ近くで顔を見ると、夜の街でありがちな「近くで見たら別人」ということもなく、
かなりの美形だった。

そして、
「近くにカラオケの店がある」、
「私は歌うのが大好き」とくれば、
「じゃぁ、一緒に行こう」という話になる。

持ち帰りではないが、彼女たちの時間を拘束するのだから、お金を払うのは当然で「2時間2000バーツ」で話がついた。

近くといってもBTSで2つ離れたトンロー駅の近くだというので、てっきりタクシーを拾うと思ったら、アソーク駅のほうに歩き始めた。

この状況ですぐタクシーを捉まえようとする女の子と、電車に乗ろうとする女の子のどっちが好感度が高いかと言えば、当然だが後者になる。

歩き出した彼女に、「トゥクトゥクに乗ろう」と言ってドライバーと交渉させたのだが、
しっかりと値段交渉しているように見えた。

「いくらなの?」聞くと「200バーツって言うから値切り交渉していた」という。

この時間帯でトンローまでなら200 バーツと言われても許容範囲なので、そのままカラオケに向かった。

手持ちの現金が少なかったので、「店に入る前にATMに寄らせてくれ」と言って、そこで5000 バーツを下ろした。

カラオケといっても日本式の個室カラオケではなく、ごく普通のバーのディスプレイにカラオケが流れているだけだった。

そこでビールを2~3本飲んで、
時間が来たので支払いをした。

そこまでは全く普通の流れだったのだが、
かなり酔っ払っていたので、
ショルダーバックのファスナーを半分閉め忘れていた。

これが致命傷となり、店の外に出たあとの一瞬の隙に「ガサゴソッ」と小さな音がして、
振り向いてみると彼女の姿はなく、
少し先でタクシーに乗ろうとしていた。

殆どタクシーのドアが閉まりかけて発車する寸前に、「俺も一緒に乗るから」と言って乗り込んだ。

バックの中からは現金がなくなっているが、
完全にクロという確証がない。

こういった場合に騒いでも、
外国人は絶対に分が悪い。
そもそもが自己責任だ。

結局、テーメーの前まで2人で戻り、
彼女はタクシーを降りて、
脱兎のごとく走り去っていった。

これまでの色々な経験から、持ち歩く現金を最小限にしておいたのは良かったが、さりげなくツーショットの写真でも撮っておけばよかったと後悔している。

これはかなりの抑止力になると思う。

まぁ、財布やカードをやられなかったのが不幸中の幸いだったので、
これも授業料だと思って諦めることにする。