セミリタイア哲学:生涯現役、ユルく、長く

サイドFIREとセミリタイアは同じ意味のように聞こえるが、私の中では微妙に解釈が違う。

どちらも完全FIRE・完全リタイアではなく、
何らかの仕事で収入を得ている点は同じだ。

サイドFIREとセミリタイアの違い

似たような生活をしている人がいて、
1人はサイドFIRE、1人はセミリタイアとする。

私のイメージでは、前者は相当な資産を持ち、その資産の運用収入で足りない分を仕事で補っており、

後者はそれほどの金融資産は持たないが、
時間に制約されずに好きな仕事をして、
そこから得られる収入でかで、
同じような生活を送っているイメージだ。

FIREの前半分の語源である経済的自立には、
資産運用で得られる不労所得で暮らす
というイメージがあるが、

それは平成の30年間続いたデフレやディスインフレの時代を前提にしたものだと思う。

資産運用とインフレ:実質収入の目減り

株式や債券から得られる運用収入が、
そのまま生活費にあてられるわけではなく、
インフレ率を差し引いた部分が収益となる。

金儲けの神様と呼ばれた故・邱永漢氏が

「金利はお金の減価償却」

と述べていたが、素晴らしい金言だと思う。

銀行預金から5%の金利収入が得られても、
インフレで消費者物価が5%上がれば、
結果的にはお金の価値は変わらない。

株式や債券の配当も同じで、インフレ率と同じだけの運用収入があるのは当たり前だ。

一般的には、株式や債券の運用では、リスクを引き受ける分だけ、金利収入よりは高い運用益が得られる。

しかし、そこからインフレ率を差し引いたものが「真水の収入」になるので、

ネット上に溢れている

「○千万円でFIRE達成、4%運用で不労所得」

というようなFIRE入門系の情報は、
あまり鵜呑みにはできない。

セミリタイアの実践:ユルく働く哲学

もともと私は、金融資産の運用益や家賃収入などの不労所得で生活しようと思った事はなく、

自分なりに行っている資産形成は、

ライフサイクルの最後で訪れる

「稼ぐ力を失った場合のセーフティネット」

と考えている。

体力や気力の限界を迎えて
稼ぐ力を失うのは仕方がないのだが、
その時期を出来るだけ先に伸ばすために、
自分なりに様々な工夫をしている。

私のセミリタイア哲学は

「好きな時、好きな仕事を、好きなだけ」
「生涯現役、ユルく、長く」

というもので、

この「ユルく」という考えに基づいて、
1日に働く時間を3時間と決めている。

他のブログでも書いたが、
実際には仕事が大好きなので何時間も仕事をしているのだが、

自分の義務というか、日課として、

「働く時間は1日3時間」

と決めている。

40代以降の人生のフェーズと働き方

こういった自分なりのルールがないと、
フリーランスのセミリタイア生活には歯止めがなくなってしまうので、
自分への戒めとしてかたくなにルールを守っている。

今のところは週5日・1日3時間がルールだが、
自分の人生年表に合わせて、
少しずつ平日の休みを増やすようにしている。

まず金曜日を少しずつオフに転換して、
完全週休3日制が実現したら、
次に月曜日を少しずつ減らそうと考えている。

最終目標は

週に火曜日と水曜日の二日間だけ働く

という完全週休5日制だ。

体力や気力のピークは人それぞれだと思うが、
よく言われるように

「人生で1番辛いのは42歳から49歳」

であり、40代半ば以降は人生のフェーズが変わってくるのだと思う。

その時の基本的な考え方は、

「がむしゃらに働き続けるのではなく」
「ユックリと負荷を下げて行きながら」

その分だけ自分の賞味期限を長持ちさせることだと思っている。