少し進化し始めた日本のネットバンクだが、、

ここ数年で日本のネットバンクのアプリも、ずいぶん使いやすくなった。

日本のネットバンク進化の軌跡

以前はパソコン画面をそのままサイズだけを変えたスマホ用アプリがあったが、
最近では殆どのネットバンクがそれなりの画面構成になった。

WEBやITサポートの仕事をしているので、
ホームページにしてもアプリにしても、
ユーザインターフェース(UI)の良し悪しはものすごく気になる。

日本のアプリに比べればタイのネットバンクのアプリは素晴らしい。

銀行や金融に関する規制の違いもあるのだろうけれども、便利さはケタ外れだ。

キャッシュレス革命:PromptPay

ここ数年、東南アジアではキャッシュレス決済が急速に普及しているが、タイの場合は屋台はもちろん、個人が路上に商品を並べているような「店」でもQRコード決済ができる。

最も普及しているのがPromptPay(プロンプトペイ)で、この仕組みが素晴らしい。

QRコード決済のシンプルさと効果

QRコード決済のシステムを作るのではなく、
単に銀行口座への個人送金をQRコード化しているだけなのだ。

どういうことかというと、お店の側は自分の銀行口座のQRコードを印刷しておく。

これは銀行アプリから簡単にダウンロードできる。

口座番号をQRコードにするのは、
システム的にも全く手間のかからない作業だ。

支払う側は自分の銀行アプリで、
そのQRコードをスキャンして、
「その口座宛に送金する」
というだけのシンプルな仕組みだ。

金額を入力する手間はあるが、
システムとしては極めてシンプルだ。

問題は銀行間の送金手数料だが、
基本的には全て無料だ。

(高額の場合はかかるのだろうが、私はこれまで手数料を払ったことがない)

振り込み手数料ゼロにするという発想は素晴らしいもので、それで利用が増えれば銀行の預金も増えるし、利用者に対して保険やローンなどの提案ができる。

情弱の国・日本 ネットバンクの課題と展望

何しろ銀行口座の入出金データがタダで手に入るのだから、無料にして当たり前なのだ。

Googleのビジネスモデルも同じで、
あらゆるものを無料にする代わりに、
その利用履歴を手に入れて、
それをAIで解析して新しい付加価値を生むというビジネスモデルだ

QRコードを使った個人間送金システムは、
セキュリティーの面でも非常に優れている。

ある時、コヨーテと呼ばれる高級クラブで遊んでいる時、席についた女の子が
「ボーイさんにチップをあげて頂戴ね」
と言われた。

私は現金を持ち合わせていなかったので、
その女の子に「現金を貸して」と言って、
100バーツを借りてボーイに渡した。

そして彼女のスマホのQRコードをスキャンして、私の口座から彼女の口座にお金を返した。

おそらくボーイさんもQRコードで送金を受け取ることができるのだろうけれども、店内で禁止されているのかもしれない。

中国の上海で同じようなことがあった。

この時は、女の子のチップやボーイへのチップも全てWeChat(微信)で支払った。

世界の流れはキャッシュレスで決まりなのだが、日本の場合は銀行が巨大な情弱企業群となっているため、便利なアプリの開発も出遅れてしまうし、手数料を無料にするという発想もない。

こういった情報低開発国という評価が、
数年後に大きな助けを支払わされることになるのではないかと懸念している。