私は金融資産の取り崩しを基本にしたFIREとか早期リタイアの考え方は好きではない。
円安やインフレを考えると、
不労所得だけで生活できるとは考えられない。
だからと言って金融資産が必要でないと考えているワケではない。
長期投資の重要性 無理のない資産形成
個人にとって最も合理的な資産形成法は、
世界株全体、あるいはアメリカ株全体に投資する方法だ。
どの銘柄が良いとか、どの企業が成長性があるなどを考える時間があったら、
あれこれ迷わずに、とにかく分散の効いたETFを毎月一定金額でドルコスト平均法で購入するのが唯一の正しい戦略となる。
payPay証券の積み立てロボ貯蓄を使えば、
毎月1000円からでも投資ができるので、
これほど便利な方法はない。
分散投資:リスク管理の基本
銘柄選びやわずかな手数料の違いなどであれこれ迷っているよりも、とにかく長期継続投資を早く始めることが重要だ。
月々投資する金額は無理のない金額で、
1年ぐらい続けることができたら、
少しずつ金額を増やしていけば良い。
ETFはどんなに多くても2つか3つに絞り、
何があっても途中でやめないことだけを考えれば良い。
そして最も大事な事は、いちど継続投資を始めたら、
「いくら貯まっただろうか」とか
「今の評価額はいくらだろう」などと気にしないことだ。
だからアプリを開くのも3ヶ月に1回とか、
自分なりの「資産運用の結果を見ない」ルールを作ることが重要だ。
セーフティーネット としての資産運用
お金はあるに越した事はないが、
もう一つ大切な考え方は、あくまでもセーフティーネットと考えることだ。
「何歳までに何千万円貯める」という目標を立てると、人間はどうしても無理な計画を立ててしまう。
無理な計画は必ず途中で挫折するので、
時間という最大の武器を失うことになる。
そういった目標を立てるのではなく、
「金融資産はセーフティーネットなのだから、最低限で良い」と考えた方が気持ちも楽だ。
結果的には20年、30年という長期にわたって継続することができるので、リターンも大きくなる。
無理な目標設定を避ける 賢い資産運用戦略
未来の事は誰もわからないので、いつセーフティネットが必要になるかわからないが、
年齢や体力・気力によっては、セーフティネットなどは殆ど必要ない時期もあれば、「そろそろ用意をしなければならない」という時期も来るだろう。
いつ大きな病気をするかもわからないし、
不慮の事故に遭遇するかもしれないが、
そんなことを考えていたらキリがない。
目安は年金支給開始年齢
65歳までは基本的にはセーフティーネットは最小限で良いと考え、
その後は自分の稼ぐ力によって、セーフティーネットの厚みを増やしていけば良い。
自分が働けなくなった時にいくらお金が必要かは個人差があると思うが、
一般論としては大卒初任給の75%程度あれば、
最低限の生活を維持することができる。
なぜ大卒初任給を基本にするかと言えば、
インフレによって貨幣価値が変化するからだ。
今の15万円と10年後の15万円では全く価値が違う。
2022年度の大卒初任給は22万円前後なので、その75%は165,000円となる。
生命保険文化センターの令和元年の調査では、最低限必要な生活費として夫婦2人平均月22万となっているので、
一人暮らしの場合のギリギリの生活費が165,000円前後となる。
この金額をどうやって捻出するかは年金受給額と金融資産の額によって決まる。