「守り・攻め・逃げ」三位一体の資産形成戦略

日本人だけではないと思うのだが、
真面目な人になれば、
なるほど先憂後楽という考えが強いと思う。

先憂後楽の日本文化と「我慢の人生」

小さい頃から聞かされたアリとキリギリスの話に出てくるように、
「楽なことを考えるのではなく、コツコツと貯金をしよう」という考えは、おそらく正しいのだろう。

ただ、私はそれだけではないと思う。

コツコツとお金を貯めたとしても、
年金受給年齢になった頃にはインフレが進み、年金も不安定となれば、
何のために「我慢の人生」を続けてきたのかわからない。

守りに徹するという考えも大事だと思うが、
やはり攻めの姿勢も必要だと思う。

攻めるといっても、リスキーな投資をするということではなく、最も合理的な資産形成方法は「稼ぐ力を高める」ことだと思う。

作家の橘玲の幸福の資本論に書かれているように、

幸福とは「人的資本、社会資本、金融資本」

の3つから成り立つ。

この中で私が最も大事と思うのが人的資本だ。

資産形成戦略における「攻め」の重要性

もちろん「一生遊んで暮らせるだけのお金」があるに越した事はないだろうし、
親しい友人や大勢の家族に囲まれた人生も幸せなのだと思う。

ただ、この2つがないとしても、人的資本、
すなわち自分で稼ぐ力さえあれば、
人生は何とかなると思っている。

もし生涯現役で稼ぎ続けることができれば、
理屈上は金融資本ゼロでも良いことになる。

誰でもソーシャルメディアや通話が使えるようになり、集団とかコミュニティーの概念も変わりつつある。

そう考えると、資産形成戦略における「守りと攻め」のうち、攻めとは稼ぐ力を鍛える、
すなわち稼げるスキルを身に付けるということになるのだが、

私は守りと攻めだけでも不十分だと思っている。

逃げることの大切さと実践方法

もう一つ「逃げ」の考えがないと、
守ったり攻めたりしている間に、

周りのプレッシャーや世の中の変化に押しつぶされてしまうのではないかという懸念があるからだ。

順調な会社勤めを続けているとしても、
年齢が上がるにつれ、
周りからのパワハラが強くなるとか、今は何とか我慢できる程度のブラック企業でも、

さらにハラスメントの度合いが増してくる等は充分あり得ることだと思う。

スキルを身に付けるための時間や精神的なゆとりが奪われてしまえば、
いくら「学びが大事」、「継続こそ力なり」などと言われても何の役にも立たない。

私自身は30代前半から自営業者となったが、
しばらくの間は業界団体の人間関係の中で営業をしてきたので、

それらの人間関係のプレッシャーは半端なものではなかった。

若いうちは嫌な上司や役員にもお世辞を言ったり、ぺこぺこすることも我慢できたが、

ある年齢を超えてくると、

「この連中と同じ土俵にいたら自分が腐る」

と真剣に考えるようになった。

その数年後には嫌な連中との人間関係は90%以上断ち切ることができた。

あとになって思ったのだが、あの頃に早く逃げ出さなければ、その後に得られたスキルアップのための時間や、

当時から話題になり始めていたローコードアプリ開発などの先行者利益を得る機会を失うところだった。

もちろん、思い立ってすぐにではなく、暫くは
収入を確保するために「嫌々ながら言うことを聞く」という状況が続いた。

有害な人間関係はフェードアウトで断ち切る

ただ、ある時に「もう逃げよう」と心に決め、
6~7年計画でフェードアウトすることを決めた。

ある日突然、辞表を叩きつけるようなことをすればカドが立つし、それほどの度胸もなかった。

ただ、どうしても我慢がならなかったので、
薄皮を剥がすように、
会議にしても会合にしても、少しずつ遠ざかるようにしてきた。

画像生成AI・DALL-Eが描いた「ビジネスマンの体が半分だけ半透明になった」

そして、その分だけ自分の時間やスキルを磨く時間が増えてきたので、収入面での不安も加速度的に減ってきた。

さらに時間の余裕が心の余裕を生み、
新しく学んだスキルをベースに新しいビジネスモデルを立ち上げ、
その試行錯誤やデータ集めに十分な時間を取ることができるなど、あらゆることがうまく回り始めた。

この経験から、私は守りと攻めの他にも、
「堂々と逃げる」、「ただし薄皮を剥がすように、ゆっくりと逃げる」という教訓を学ぶことができた。