我慢と節制::セミリタイア生活の鍵

二通りの「我慢」の意味と選択

「我慢する」という言葉には二通りの意味があると思う。

やりたいことを「やらずに我慢する」という我慢と、「やりたくないことを無理やりさせられるのを我慢する」という我慢の二通りだ。

私は人から何かを強制されるのが大嫌いなので、30代で起業して自営業者となり、他人の指図を受けずに仕事をしてきた。

自営業者としての自由と我慢

会社勤めの場合は出たくもない会議や会合に出なくてはならないし、
やりたくもない仕事を押し付けられるのは本当に我慢ができない。

こういった無理強いを我慢するの絶対に嫌なので、早くから独立起業したのは良い選択だと思っている。

セミリタイア生活のための 節制と克己心

もう一つの我慢は、「やりたいことをやらずに我慢する」というもので、これは何をやる上でも「必要な我慢」だと思っている。

フルタイム労働をやめて10年以上になり、
ビジネスモデルもワークフローも殆ど出来上がってているので、
ルーズな生活をしようと思えばキリがない。

そこに歯止めをかけるのは節制とか克己心で、
これがないと海外でのセミリタイア生活は長続きはしない。

自分の好きなことで生計を立てる

私は小学校の頃から優等生でもないし、
模範生でもなかった。

成績は悪くはなかったが、
先生の言う事は聞かないし、
自分勝手にいろいろなことをしていた。

中学生の頃から授業サボっていたし、
高校生の頃も「わが道を行く」というような生徒だった。

だから克己心とか節制とか言っても、
コツコツと貯金をして節約をしたり、
決められた仕事をきちんきちんとこなしていくようなタイプではない。

先延ばし癖は何十年たっても直らず、
計画だけはきちんと立てるが、
その計画通りに進んだことなど1度もない。

それでも10年以上今のような生活を続けて来れたのは、それなりに我慢強いところがあったのだと思う。

結局のところ、自分が望んだ生活スタイルを保っていれば多少の事は我慢できる。

遊びたいとかお酒を飲みたいなどの気持ちは抑えることができるし、
ミニマリズムを少しずつ実践していけば、
殆ど欲しいものがなくなる。

2022年から始まった急激な円安とインフレにより、「金融資産や年金ベースのリタイアメントライフ」は完全に破綻し、誰もが生涯現役を目指さなければならなくなった。

金融資産から生み出される配当や運用益は、
殆どがインフレで帳消しとなり、
貯蓄を取り崩していかない限りは、
自分が望む生活レベルを維持できない。

だから、この円安とインフレの進行により「完全なリタイアメントライフ」という概念はなくなり、すべての人がセミリタイアをせざるをえなくなる。

生涯現役で働き続けるには、自分の好きなことでなければ続かない。

50代、60代になっても収入のためにイヤな仕事を我慢するという生活は非常に辛いものだと思う。

そうではなく、早い段階から自分の好きなことを仕事にして、そこからの収入で暮らせるようなライフスタイルを追求するべきだ。

そのためにはできるだけお金を使わないローコストライフを目指し、
なおかつ物価の安い場所で暮らすというのが最も合理的な選択となる。

だから私が考える克己心とか節制というのは、我慢するということではなく、「イヤな事は我慢しない」という逆説的な意味になるのだ。