セミリタイア実現とマイホーム神話

マイホーム神話の崩壊とFIRE

少ない予算で出来るだけ早く海外セミリタイアを実現するためには「マイホームを持たない」持たない方が有利だ。

日本にはマイホーム神話があり、「家賃を払うより、ローンを返済すれば自宅が自分のものになるマイホームが有利」と考えられていた。

少し前までは人口が減少しても核家族化や単身世帯の増加で世帯数が増えていたが、
数年前からはついに世帯数も減少に転じたため、マイホーム=資産という図式は完全に崩壊してしまった。

かなり以前から日本の住宅総数は世帯総数を超えていたため、地方都市の築年数の古い物件から資産価値が低下し始め、
今では相当数の住宅が売ろうとしても誰も買い手がつかない「負動産」と呼ばれている。

住宅ローン:セミリタイアへの障壁

ローン返済後も資産価値が保たれるのは、
確実に借り手が見つかる物件だけだが、
残念ながら地方都市の住宅地の場合は、
よほど条件が良くなければ難しいだろう。

数千万円の住宅ローンを組み、
30年近い年月をローン返済に追われるのは、
果たして正しい人生設計なのかどうか
もう一度考える必要がある。

同じローンを組むのであれば、それを
不動産REITや都心部の1Rマンション
などに投資して、
その家賃や配当を住居の家賃に充当する方が、
はるかに合理的の戦略だ。

投資と多様性:新しい生活設計

リスク分散の点でも、資産価値の保全や換金性の点でも、マイホーム神話はまもなく崩壊するだろう。

だから早期のサイドファイアとかセミリタイアを目指す場合は、
何十年もの年月をローン返済に追われるような選択をするべきではない。

そもそも住宅ローンは
レバレッジをかけた超高額のハイリスク取引
ということを忘れてはならない。

「家賃を払っても何も残らない」と考えるのは当然だが、住宅ローンを組むことによって失う時間の自由と巨額の負債を負うリスクを正しく理解する必要がある。

固定金利を選ぶのならまだ良いが、
永遠に低金利が続くと勘違いして
変動型を選んでいる人たちは、
金利変動のリスクを甘く見過ぎている。

金利が上がれば未払い利息が積み上がり、
返しても返してもローン残高が増えていく
変動金利地獄を味わうことになるのだ。

マイホームより自由:幸福への選択

そんなリスクを背負って何十年という時間の自由を奪われるよりは、
できるだけ早くFIREを達成した方がどれだけ幸福かわからない。

努力して稼ぐ力を大きくすれば高い家賃を払うことができるし、
様々な理由で可処分所得が減った場合は、
それに合わせて住宅のレベルを下げる。

この自由度が幸せの根本なのだと思う。

住宅ローンがあるためにパワハラにも耐えなければならないし、有害な人間関係を断ち切ることもできない。

ストレスのない生活を送るためには、
生活固定費の高止まりは絶対に避けなければならない。

その最大の原因が住宅ローンであり、それに加えて、さらに多くのリスクを背負わされていることを忘れてはならない。

マイホーム神話も住宅ローン減税も、
すべては上級国民の陰謀だと考えるのは、
私1人ではないと思う。