セミリタイア後の年金依存と自己改善

私は悲観論者ではないが、「自分が後期高齢者になった時でも、日本の公的年金制度が十分に機能している」と考えるほど楽観的ではない。

だから老後を公的年金に頼るのではなく、
生涯現役を続けると宣言した。

公的年金への依存からの自立

40代、50代の人たちなら誰でも、
同じように考えている人が多いと思う。

ところが60代を過ぎた世代は
「オレたち、逃げ切り世代」
などと呑気なことを言っているらしい。

確かに年金を貰うことは出来るだろうが、
30年、40年とかけ続けてきた年金保険料に
見合う生活が送れるとは考えない方が良いのではないかと思う。

いま現在は年金を貰っている世代の人たちも、
インフレや円安を甘く見ない方が良い。

インフレ時代の年金制度と限界

年金制度そのものは存続するだろうし、
物価スライド制もなくなる事はないと思う。

しかし
「支給開始年齢を繰り下げた方が有利」
という情報操作は、いま以上に巧妙になり、
物価スライド制も形式的に機能するだろう。

消費者物価指数にスライドして年金を増額(減額)する仕組みなので、
表面上の制度を維持するには、その基準となる消費者物価指数を操作すれば良い。

円安の影響は全ての物価に影響するわけではなく、主に輸入物価に跳ね返る。

だから「何としても物価スライド制は存続させる」と考える役人は、
「財源がなければ指数を変えよう」
と考えても不思議ではない。

ゆっくりと時間をかけ、
国民が気づかないように巧妙な手段で、
さらにマスコミを動員して、
消費者物価指数が輸入物価の影響を少なくするような操作を行えば良いわけだ。

実際にどのような技を仕掛けてくるかわからないが、とにかく私たちの世代は公的年金に頼ることは出来ないと考えた方が良い。

だから私は10年前から生涯現役と宣言しているのだが、不安がないと言えば嘘になる。

自己管理と節制への挑戦

もしかすると平均寿命よりも10年以上長生きするかもしれないし、
それまでの間に何が起こるかわからない。

だから人並み以上に節制や自己管理には関心があるが、残念ながら元々が遊び好きで、
浪費癖と先延ばし癖があるのだから、
なかなかうまくいかない。

ライフハックや裏道を探すだけではなく、
時々は「正統派の自己啓発」の情報を探したりすることもあるが、
正直言って途中で飽きてくる。

大体のパターンは、「朝早く起きよう」「感謝の手紙を書こう」「瞑想の時間を作ろう」みたいな話が延々と続く。

一つ一つは大事なことだと思うが、
「そんなこと、いつでも出来るわけではない」
という話がたくさんある。

自己啓発への新しいアプローチ

こういった生活改善型の情報にたどり着く人たちは、大体が「今の自分はダメ」と認識しているから情報を探すわけだが、
自分はダメ→改善→失敗→自分はダメ
という無限地獄にハマることも少なくない。

そのたびにダメ印が1つずつ増えていくので、
だんだんとマインドが暗くなり、
延々と情報を探し回ることになる。

情報系や出版系のビジネスにとっては、
売れ筋のネタなのだろうと思う。

そこで私が考えた良い方法は、
「できなくても良い」
「うまくやろうとは思わない」
という方法だ。

合格ラインを20点位に抑えて、「10回のうち2回成功したら大合格」と考える。

残りの8回は失敗するのだから、
実際は殆ど生活改善にはならない。

相変わらずタスクの先延ばしが続き、
瞑想の時間もないような生活だが、
少なくとも五回に一回は「自分はできた」という自己肯定感だけは得られる。

一つ一つの具体的な生活改善よりも、こういったマインドを明るくするテクニックの方が、その後の改善につながるのではないかと思う。

五回に一回は成功したわけだから、
「これ、意外と良いかも」「効くかも」
と感じるから、同じ方法をもう一回繰り返す事は難しくはない。

最初から合格ラインを高めに設定してしまうと、八割がた失敗するのだから、
「この方法は自分には向いていない」
と考えて、また別の方法を探そうとして、
いつまでたっても失敗を繰り返す。

具体的な方法に着目するよりも、
改善項目は何でも良いので、
とにかく20点を取ることを考えた方が急がば回れだと思う。