円安時代のセミリタイア戦略

円安がセミリタイアに与える影響

海外では外貨に両替をすることが多いので、
ジワジワと円安が進んでいることを実感する。

私は3ヶ月ごとに大体6~7週間、
バンコクやラオスに滞在して、
また日本に戻る生活を続けている。

いつも20万円を両替して、
それを生活費に当てている。

1日1000バーツという目安で、
6〜7週間なら5万バーツあれば余裕だろうと考えての金額だ。

1年ほど前は1バーツ3.5円程度だったので、
逆算して1円は約0.28バーツになるから、
20万円だと56000バーツ位になる。

1日あたり1000バーツといっても、
普通の生活費は殆どかからない。
食費やちょっとした日用品を合わせても、
まあ1日300バーツもあれば充分だ。

20万円にはホテル代を含まないので、
純粋な生活費や遊び代になる。

海外労働市場の変化と日本経済

1週間の生活費は2000バーツで充分だから、
残りの5000バーツが遊び代になる。

5000バーツの感覚は、日本で生活した場合の4〜5万円のバリューがある。

週2回位レストランで食事をしたり、
バーで飲んだり、
あるいは夜遊び系に出かけても十分だ。

しかし最近は1バーツが4円以上となり、
逆算して1円は0.24円を割り込んでしまう。

そうすると20万円を両替しても5万バーツ未満となってしまい、本当に悲しくなってしまう。

この金額でもかなりの贅沢感を味わえるが、
この先さらに円安が進むかと思うと、
気が気ではない。

海外労働者が日本に見切り

円安の原因はたくさんあると思うが、
海外で生活していて感じる事は、
「いつか海外の労働者が日本に行かなくなるのではないか」という懸念だ。

円高とか円安は、要はその国の経済力なので、経済を支える労働者が減れば経済力は落ちてしまう。

大勢の外国人労働者が日本に来てくれるのは、
現地より何倍も高い収入が得られるからで、
何年も不自由な生活覚悟で来ているワケだ。

ところが最近タイ人の友達と話をすると、
知り合いのタイ人が出稼ぎに行くのは、
韓国や台湾が圧倒的に多く、
日本は出稼ぎ先の対象外になっているらしい。

ニュースなどでは、既に日本で働いているベトナム人労働者も「収入が高くないので本国に帰りたい」と考えている人も少なくないらしい。

働く人が少なくなれば、当然経済力が衰え、さらに円安が進む。

その悪循環は既に始まっていると思うし、
東アジア全体で見た場合、
韓国や台湾、そして将来は中国を含め、
外国人労働者の奪い合いになれば、
日本は絶対に勝つことができない。

通貨戦略とセミリタイア計画

こういった流れは1年や2年の短期間で進むものではないが、
「今の円安は一時的で、また円高に戻る」
という考え方は危ないのかもしれない。

私は2024年から25年頃にかけて一時的な円高の局面が来ると思うが、
それは数ヶ月から1年程度のもので、
そこからまた円安傾向に戻り、
6~7年の中長期で見た場合は、
傾向的に円安が進むと思っている。

だからセミリタイア生活で日本円しか稼ぐことができない場合は、できるだけドル建て資産か自分が住もうと思っている国や地域の通貨を変える必要があると思っている。

先々、東南アジアでのリタイア、もしくはセミリタイアを考えている人は出来るだけ早くスタートした方が良い。

頑張って日本円を貯蓄しても、
それが円安で賽の河原の石積みのように、
稼いでも稼いでも増えていかないという、
地獄のような時代が来るかもしれないからだ。