クアラルンプールでのロングステイの考察

マレーシアの首都クアラルンプールには1度しか行ったことがないが、
緑の多い綺麗な街という印象が強い。

クアラルンプールの緑の印象

海外で訪れる都市の印象は訪れた季節に大きく影響されるので、良い時期に行ったのだと思うが、本当に緑が多かった。

日本に比べれば、東南アジアの各都市はどこでも段違いに緑が多く、
杜の都と呼ばれる仙台でも悲しくなるほどだ。

東京や大阪になると、公園や緑地の面積が極端に少なく、街全体に潤いが感じられない。

わずかに残された公園や緑地も、
ガチガチに管理されており、
自然とは程遠い人工都市になってしまった。

これは日本と海外を往復して初めて感じたことで、なんと言えば良いのか、日本の場合は
「何から何まで管理されている」
という印象があるのだ。

一度しか行ったことのない街を礼賛するのも合理的ではないし、
外国人として街の中心部を歩いただけなので、そもそも比較すること自体が客観的ではない。

4月の桜の季節や5月の五月晴れの時に東京訪れた外国人が、
千代田区や港区の目抜き通りを散策すれば、
どんな国の人でも「ビューティフォー」と叫ぶだろう。

まあ、とにかくクアラルンプールの緑の豊かさは嬉しかった。

ローコストライフのハードル

かつてクアラルンプールは日本人の移住先として人気の都市だったが、
最近ではビザの要件が極端に厳しくなり、
移住先としての魅力は低下したようだ。

一人当たりGDPではタイよりも2割位高く、
あまり豊かでない年金生活者にとっては、
マレーシアの中心部での生活は、
それほど楽ではないと思う。

私が目指すローコストライフを実践する上でも、かなりハードルが上がってしまった。

私が海外生活を始める前の2005年頃の資料を見ると、香港でもシンガポールでも、当時の日本人の平均的な年金で楽々と市の中心部に住むことが出来たようだ。

それが今では、香港もシンガポールも日本と同じレベルの生活をするには、日本の2倍近くの費用がかかるようだ。

さらに台湾やマレーシアがそれに続き、
平均的な公的年金だけで暮らせる地域や都市はどんどん少なくなっている。

老人大国日本のパワーの衰えと、
円安と現地の物価高が原因なので、
これからも、この傾向は続くのだと思う。

ロングステイに適した都市の選び方

日本国内では円安によってガソリンや輸入品の値段が上がり、どんどんインフレが進むので生活が苦しくなっている。

考えるだけで気分が落ち込んでくるのだが、
東南アジア全体で見れば、まだ物価が安いので、できるだけ早いうちに
「ロングステイに適したマイ・シティ」
を見つけ出してほしい。

海外でのロングステイを考える場合、
色々な都市に2〜3週間は滞在した方が良いと思う。

さらに可能であれば、いろいろな季節を経験した方が良いと思うので、そうすると体験滞在だけで何年もかかってしまう。

徹底的に調べまくるのも良い方法だが、
適当なところで「まぁ、他に良い街もあるだろうけれども、この街が好きだ」と思ったところで手を打つのも良いかもしれない。

とにかく季節によって街の暮らし方や、
住み心地が大きく変わるので、
クールシーズンに四~五日滞在しただけで、「最高の街を見つけた!!」「ここに決めた!!」
というやり方だけは避けた方が良いと思う。