就職氷河期と日本の情報革命の遅れ

就職氷河期が生まれた原因は、
当時の中高年世代の雇用を守るために、
大企業が新卒採用を手控えたためだと言われている。

守られた世代は団塊の世代であり、
氷河期世代が団塊ジュニアというのも
皮肉な巡り合わせだ。

氷河期の原因と団塊世代

年齢差からして50歳前後の世代の子供たちが就職適齢期なわけだから、
必然的に起こった現象だとも言える。

当時の中高年世代は完全なアナログ世代で、
就職活動にあえいでいる子供たちが、
情弱な親の世代にExcelやワードを教えていたなどということもあったかもしれない。

 

今振り返ってみると、
あの時代に情弱世代を保護したために、
その後のグローバル化や情報革命の中で、

バブルの頃には背中が見えていたアメリカからは突き放され、
後ろにいた韓国や台湾にも追い抜かれた。

情報革命の遅れと日本の衰退

当時は新卒採用の手控えだけではなく、
20代30代の伸び盛りの社員をリストラし、
その世代が韓国・台湾や中国に流出したとも言われている。

日本の衰退の原因を少子高齢化や巨額の財政赤字とする論調も多いが、
私は情報革命に乗り遅れたためと思っている。

あの頃、大企業が毅然とした態度をとっていれば状況は変わっていたかもしれない。

情報革命に沿った能力主義に基づき、
情報革命に役立つ人間だけを残し、
そうでない人間には、中高年といえどもしかるべき対応をとっていたら、
今の日本はもう少し救われていたはずだ。

氷河期世代がで失ったチャンス

雇用の問題は人生を左右することだから、
そう簡単にはいかないと思うが、
ぬくぬくと保護された中高年のあおりで、
氷河期などというレッテルを貼られた世代は堪ったものではない。

団塊の世代の殆どが後期高齢者となり、
社会の第一線からは退いてしまったが、
その世代が作った「情弱日本」はいまだに健在だ。

アナログ社会とITコンサルの需要

地方都市だけでなく、大都市でも中小企業や零細企業の社員は大部分がアナログ人間だ。

いまだに、「先ほどはお時間ありがとうございました。お渡した名刺のアドレスは古いものでしたので、メールアドレスをファックスしておきました」という電話が掛かって来るような状況をどう捉えれば良いのだろうか。

もはや表現のしようがないほどのアナログ社会が厳然として残っているのだ。

そうであれば、そういった企業や個人へのITコンサルは大きな需要がある。

信じられないかもしれないが、
地方都市の大手情報処理会社の殆どは、
地元の銀行や放送局などの資本が入っており、

その「信用」で地方自治体や教育機関のパソコン導入やシステム開発を請け負っている。

それらのセクターは全て前例主義なので、
提案されたIT化の内容などは見ることもなく、
「〇〇市で採用された」という実績だけで、
パソコン導入や開発を発注している。

そしてその事例が、また次の営業の時の決めてとなるので、新興企業が入る余地が全くない。

そういった企業は「IT企業」と肩書がついているだけで、中身は昭和の企業そのものなのだ。

フリーランスのビジネスチャンス

こういった状況があるからこそ、
地方自治体だけではなく、
中小企業や零細企業のデジタル化が遅々として進まない。

そこをビジネスチャンスとして捉えれば、
私たちのようなフリーランスには膨大な市場が残されていることになる。