円安時代の海外生活:所得格差と物価の現実

コロナ後のインバウンド復活と 海外旅行の潮流

2022年の後半から徐々にコロナの制約がなくなったためインバウンドが復活し、
日本からも数年ぶりの海外旅行に出かける人が激増している。

昔からハワイや西海岸は人気の旅行先だが、
とにかく物価の高さに驚いた人が多いと思う。

アメリカと日本の所得格差の影響

コロナの前から言われていたことだが、
アメリカではラーメンが一杯3000円とか、
年収1000万以下は貧困層など、
日米の所得の格差が拡大している。

平成の30年間、日本はデフレのため経済が痛んでしまったが、その間に欧米では緩やかなインフレが続き、人々の所得も上がっていった。

そこに加えて急激な円安が進んだため、
アメリカと日本を比べれば、
極端な所得格差が生まれてしまった。

勤労者の時給平均時給を比べると、
アメリカは5000円で日本では2000円だ。

単純に考えて2.5倍の開きがあるわけで、
ハワイや西海岸でお金を使う場合には、
この格差に愕然とすることになる。

東南アジアでの欧米人と 日本人の生活比較

そういった地域だけではなく、私のように東南アジアで生活をしている者にとっては、アメリカ人やオーストラリア人の金持ちぶりには参ってしまう。

例えば、ごく普通の年金生活者の場合、
日本人が毎月20万円の年金をもらっているとすると、アメリカ人の場合は50万円もらうことになるわけだから、
その差を歴然としている。

バンコク中心部には欧米人向けのバーやレストランがたくさんあるが、そういったお店では世界中の料理やお酒が飲める。

古くからあるお店はそれほど急激に値上がりしているわけではないが、新しくできたお店の価格帯はかなり高めの店が多い。

こういった店にはおしゃれな欧米人たちが集まり、そこにタイの富裕層の若者たちが集まってくるのだが、感覚的には東京や大阪の盛り場よりもかなり高額になる。

別にお金をたくさん使えるから偉いというわけではないが、欧米人も日本人も「同じ外国人なのに」という感覚から格差を実感してしまうのだ。

円安時代の物価高騰と 日本人の生活戦略

最近の円安と現地の物価高で、
日本人向けスーパーの価格も上昇しており、
従来ほど物価の安さを感じる事はなくなった。

それでも野菜や果物などは日本よりもはるかに安いし、日本人向けスーパーではなく、現地の人が使う量販店などを利用すれば、まだ日本の半額以下でアッパーミドルの生活することができる。

欧米との所得格差を感じるのは、
欧米仕向けレストランだけではなく、
欧米人向けのスーパーに入った時だ。

こういったお店は、欧米人と言っても比較的裕福な欧米人たちが使うのだが、
日用品から食料品まで、
手が出ないほどの値段ではないが、
結構のお値段が付いている。

商品を手に取って値段を確認すると、「この値段ならフジスーパー(バンコクの日本人向けスーパー)で買ったほうがいい」と判断して、すぐ棚に戻してしまうことが多い。

今はまだ「日本で稼いで安い海外で使う」というセミリタイア生活の勝利の方程式が通用するが、これから先もその状態が続くかどうか心配でならない。