東南アジア移住:夢と現実の間で

東南アジアには膨大なビジネスチャンスがあることに異論を挟む人はいないと思います。

東南アジアのビジネスチャンス

 

実際に、日本から進出した企業でも個人でも
成功している者は多い。

しかし表に現れる「成功した人たち」とは残っている者たちであり、
その裏側には多くの企業や個人が撤退したり、失敗していることも事実だ。

移住の魅力と現実

それと同じように、海外移住においても、ソーシャルメディアでの
「パタヤは年金生活には最高」
「プーケットこそセミリタイアの聖地」
といった類いの書き込みに興味を引かれる者は多い。

「そんなに良い場所なら試しに訪れてみよう」と考えて実際に訪れると、
季節やタイミングによっては「ウワサ以上に素晴らしい」という第一印象を持ち、即座に移住を決意する者もいるだろう。

しかし成功している企業や個人と同様に、
その裏には「夢破れて失意の帰国」という人たちもたくさんいるのだ。

現地の物価の上昇だけでなく、
最近の急激な円安は、
固定収入しかない者にとって、
厳しい生活を強いている。

経済成長とインフラ整備の進展

それらの人々の中には副業を探す人も多い。

しかし本業であれ副業であれ、
ビジネスを成功させるためには時間が必要で、年金や取り崩し収入に頼る生活設計よりも、
まずは「稼ぐ力」を確立してから
移住を検討するのが合理的な考え方だ。

東南アジアと日本との物価の差はまだ大きく、
生活コストを低く抑えることが可能である。

日本から初めて訪れる場合、道路やゴミ収集などの社会インフラや、街全体の衛生観念などに戸惑うこともあるだろう。

しかし、国全体の経済成長は続いているので、
インフラは次第に整備されていく。
衛生管理やマナーも良い方向に進展している。

インフラ整備の遅れや衛生面の格差だけで、
その国や地域が自分に合うかどうかを判断するのは早計だ。

第一印象の落とし穴

どちらの意味でも、第一印象に左右されるのはお勧めできない。

かつての中国も同じ状況だったが、
社会インフラの整備は急速に進む。

日本の50年前の「昭和の良き時代」が再現されていると考えて良い。

しかし、そこにはインターネットや会話形AI、YouTubeやNetflixが存在し、
子供から老人まで、誰もがスマホを持っているという違いがある。

そのため、社会の変化は昭和の時代よりもはるかに速く、当時のビデオを3倍速で見ている感覚だ。

東南アジア各国の農村部には固定電話がなかったため、日本より速く4Gネットワークが整備された。

キャッシュレスは中国ほど進んでいないが、
日本のように全国に郵便局や銀行があるわけではない。
その代わりATMはどこにでもあり、
ネット送金も日本より進んでいる。

このような背景があるので、
ビジネスチャンスや
移住生活を送る条件は整っている。

しかし第一印象や思いつきで行動すると、
予期せぬ失敗で資金計画が狂い、
場合によっては悪い道に進むこともあるのだ。