コロナ前の2019年頃までは、
東南アジアの物価は本当に安かった。
当時は1ドルが105円から110円位で安定しており、
バンコクやホーチミンなどの大都市でも、
1万円札の使いでは相当なものだった。
円高なら海外での生活は楽になる
残念ながら今は円安が進み、一時ほどではなくなったが、
それでもまだ物価の差は大きい。
2022年頃から、ようやく日本でもインフレが始まり、
徐々に物価が上がってきたが、
東南アジア諸国では、デフレで物価が上がらない時期というのはなく、
長期にわたって緩やかに物価が上昇している。
ところが日本人から見ると、2019年頃までは、
現地のインフレと同じように円高傾向が進んでいたので、
ほとんど現地の物価上昇を意識する事はなかった。
しかし日本と同じように、
現地のインフレ率も以前よりは高くなり、
さらに円安が進むとなると、これまでと同じ感覚ではいられない。
参考になる大卒初任給の金額
こういった時に役立つ指標が各国の大卒初任給の額だ。
ASEAN諸国の中でシンガポールは別格としても、
タイやマレーシアのように1人当たりGDPが1万ドルに近づいてくると、
大体社会は安定した状態となる。
そして大卒初任給の金額があれば、都市部での一人暮らしは、
贅沢はできないにしても、十分生活できる金額になることが多い。
日本の大卒初任給は、2023年現在で23万円前後だが、
まぁ、この金額があれば、
東京や大阪でも、一人暮らしなら十分にやっていける。
インフレが進めば生活コストも上昇してくるので、
それに合わせて、タイムラグはあるものの、各国の大卒初任給も緩やかに上昇する。
生活コストの計算は大卒初任給をベースに考える
海外での生活コストを計算する場合には、
「1ヵ月○○万円」
というような固定した金額ではなく、
「1ヵ月、大卒初任給何ヶ月分」
というふうに考えたほうが合理的だということに気がついた。
ちなみに、タイの大卒初任給は、
2022年現在で1万8千から2万バーツとなっている。
過去10年間の円・バーツの平均レートである3.6円で換算すると7万円前後となる。
日本の大卒初任給と比べると3分の1程度になるので、
現地の物価水準も同程度と考えて良い。