セミリタイア生活では、
お金の管理が非常に重要だ。
これは現役時代でもセミリタイア後でも同じことなのだが、
現役フルタイム勤務を辞め、必要なだけ働くというスタイルに移行した場合、生活固定費が高ければ高いほど働く時間が長くなる。
セミリタイア生活の資金管理
目指す生活レベルは人それぞれだが、私は
「楽々とアッパーミドルの生活が送れる」
ことを目安に、
セミリタイアライフを設計している。
これを生活コストの高い日本ではなく、
物価水準の安い東南アジアで実現しようというのが私の戦略で、
結果的にはコロナ禍やアメリカの金利急騰による株式市場の大暴落などもありながら、
このレベルの生活を10年以上も続けている。
東南アジアのコストパフォーマンス
これだけ聞けば非常によくできた戦略と思われるかもしれないが、海外生活ならではのトラブルや困り事もある。
気候や食べ物とか、ビザや海外滞在許可証などの問題や手間は海外生活では当然のことだ。
それらは、多くの人たちがうまく乗り越えているから、基本的には誰でも受け入れることができる。
海外生活の意外なリスク
そういったものとは別に、
海外特有の治安やセキュリティの問題がある。
それも暴力沙汰とか強盗に会うというようなレベルのものではなく、
「日常の身の回りにある、少し怖いこと」だ。
あるときにコンビニで中東系の小柄な男性から「日本人ですか」と声をかけられ、「そうだ」と答えた。
日常に潜む詐欺の恐怖
その後が本当に見事な演技なのだが、
「良かった、日本人なら安心だ」
「実はバーツを持っていないので、ドルと変えてくれないか」と言って100ドル札を見せた。
ここまでは怪しい素振りもないし、
全く心配していなかったで、
「100ドルが何バーツかわからない」
というと、
即座に「3200バーツだが3000バーツで良い」と言った。
ちょうどその時は両替の帰りだったのでかなりのバーツを持っていたので、思わず「OK」と答えた瞬間に、あたりの空気が変わった。
その小柄な男本人ではなく、近くにいた似たような感じの男が何とも言えない動作で体を動かした。
コンビニの中だから客も大勢いて、商品を見たりしながら動いているのだが、その男の動きは何とも言えない、威圧感のある動きだった。
その瞬間、私は「まずい」と思って、「Sorry」と一言を返して、その男たちから離れた。
私が進もうとした通路がちょうど空いていたので、そこをスタスタと歩いて、レジの前で少し立ち止まってから、ゆっくりと外に出た。
怖かったので振り向きもせず、そのままBTSの乗り場につながる階段を登って店から離れた。
現場を離れてから頭の中に「お札を見せて詐欺」という言葉が蘇った。
いつ頃だったか忘れたが、
バンコクの友人と食事をしている時に、
似たような話を聞いたことがある。
手口は大体似たり寄ったりなのだが、
もう一人の相方の動きが気になる。
詐欺が成功した直後に被害者(私)が気がついて犯人を追いかけようとした時に、
犯人が外に出る(逃げる)のをブロックする役目なのだそうだ。
おそらく、軽くぶつかって「申し訳ない、申し訳ない」と言ったり、商品を落としたりして私の進路を妨害しようとするのだろう。
私が瞬間的に感じた
「ササッとした威圧感のある動き」は、
ブロック態勢に入った動きだったらしい。
仮に被害にあったとしても3000バーツが自分の過失であれば問題のない金額なのだが、
未遂に終わったとは言え、
「あわや犯罪に巻き込まれそうになった」
「コンビニでもこんなことが起きてしまう」
という事の方が恐怖だった。