海外移住や早期リタイアを目指す人にとって、住む国や都市の選択は大きな課題だ。
私はこれまでにタイやベトナム、上海など様々な国で生活してきたが、場所選びには個人の好みが大きく影響するため、「万人に最適な国」はないと感じている。
海外セミリタイアに最適な国は人それぞれ
「どの国が海外セミリタイアとして最適か」という質問をよくいただくが、最適解はその人の生活スタイルや価値観、そして資金状況によって大きく異なる。
たとえばシンガポールは生活費が高く、ビザ取得のハードルも高いし、クアラルンプールもビザ取得は簡単ではない。
私が東南アジアで暮らし始めたのは2014年からで、それまで過ごしていた上海や大連に比べて温暖で過ごしやすく、当時はホーチミンシティーとクアラルンプールとバンコクの3つが選択肢だった。
その頃はクアラルンプール(マレーシア)のビザもそれほどハードルが高くなく、定期預金も400万円位あればOKだったと思う。
それが2021年に要件が改正され、事実上、普通の年金生活者には門戸が閉ざされた。
新しい条件では3500万円ほどの定期預金が必要で、これは相当なハードルだ。
それに比べて、タイの場合は80万バーツ(約350万円)で済むし、この資金も一時的に立て替えてもらえる裏技もなくはない。
事前準備と現地体験
海外への移住や長期滞在先を探すために、いまは誰でもネットで情報収集をする。
しかし、今はネットが便利になりすぎたために、情報が多くて混乱することもありあるし、それ以上に「行ってみなければわからないこと」もたくさんある。
だから下調べはそこそこにして、とりあえず短期で良いので行ってみることだ。
不動産屋でも病院でも、飛び込みで入るのに躊躇する必要はない。
東南アジアの場合は日本人は上得意様なので、物怖じする必要は全くないのだ。

もちろん2泊とか3泊の短期滞在では何もわからないので、会社勤めで休めない場合でも、うまく有給を組み合わせて1週間程度の滞在をしてみるのはいかがだろうか。
自営業者や個人事業主の場合は、半年位計画を練れば1ヵ月ほどの滞在も可能だと思う。
私が提唱しているゲストハウスでのローコストライフにトライするのであれば、バンコクでもホーチミンでも、航空券代を含めても1ヵ月で10万円の予算で街の中心部で生活することができる。
今の円安とインフレを考えると、いつこの金額が跳ね上がるかわからない。
何しろおコメの値段が1年で2倍になったのだから、何が起きても不思議ではないのだ。

