大都市土地成金の心理

日本は上級国民が支配する国だが、それとは別に土地成金という特権階級が存在する。

土地成金の生まれと資産形成

都内や大阪・名古屋などの大都市圏にまとまった土地を持っていれば、それだけで軽く数十億円の資産ができることになる。

そこまで大規模ではなくても、
住宅や農地だけで数億円の資産を持つ
土地成金の数は膨大なものだ。

戦後70年以上にわたり大都市集中政策や東京一極化政策で投資を集中させてきたので、
大都市の地価は右肩上がりで上昇する。

農地でも商業地でも、
「ただそこに住んでいた」というだけで、
地主は大金持ちとなり、一般の人々との間に極端な貧富の差が生じてしまう。

2代目・3代目の豊かな生活

「地方の方が住みやすい」とか、「東京はゴミゴミしている」と考える人もいるかもしれないが、
戦後70年間の人口の増減を見れば、
多くの人が「3大都市圏に住みたい」「大都市に住宅を持ちたい」と考えていることが証明されている。

東京や大阪を始めとする大都市部の地主階級の2代目で、昭和30年代に生まれた連中は敗戦後の焼け跡闇市時代も知らないし、生まれてから今に至るまで、殆どお金の苦労をしたことがないハズだ。

まして、その子供世代の3代目にもなれば、
考えることと言えば、金を使って派手に遊ぶことと相続税の事しかないだろう。

祖父母世代の苦労と 対照的な3代目世代

祖父母の世代は敗戦後の焼け跡の苦労を味わっているし、農家であれば小作農の苦労も味わっただろう。

だから、いくら莫大な資産があるとは言え、子供や孫の金銭感覚に対しては、比較的厳しい態度をとる。

ところが子供や孫の世代は
「じいさん、早く死んでくれよ」
「そうすれば、この土地を売って海外でウハウハやるから」と考えているに違いない。

こういった二代目や三代目のボンボンは、
祖父母の世代の苦労を全く知らずに育ち、
自分たちは特別な人種だと勘違いしている。

農地が宅地に変わり、そこにアパートやマンションを建てれば莫大な不労所得が入ってくるのだから、そういった連中にお金の苦労があるはずがない。

こういった土地成金の2代目や3代目にもニ種類の人種が存在する。

富と心理的葛藤

土地成金と揶揄されるように、何の苦労もせずに莫大なお金を手にしたことに何も感じない人種と、後ろめたさを感じる人種だ。

後ろめたさを感じない連中はそもそも社会的な能力の低い連中なので、
いくらお金があったとしても、会社を作れば潰してしまうだろうし、そうでなければ博打や夜の世界にはまって自滅していくというお定まりの道を歩むだろう。

可哀想なのは心の中で後ろめたさを感じている二代目たちだ。

シングルマザーや底辺と呼ばれる低年収の労働者は言うに及ばず、
正社員のサラリーマンの年収の何倍もの不労所得が入ってくるのだから笑いが止まらないだろう。

しかし、まともに考えれば「自分では何の努力もしていないし、汗水たらして稼いだわけではない」ということがわかっているから、
心の中には後ろめたさがつきまとう。

世の中の殆どの人たちの悩みの種であるお金という悩みから解放されても、
良識ある2代目3代目のボンボンは、
使い切れないお金があるのに、
常に心の中に後ろめたさが残るという非常に可哀想な存在なのだ。