日本の人材不足とその影響
ここ数年、日本の労働市場は深刻な人材不足に直面している。
かつて、日本は成長著しいアジア諸国から多くの技能実習生を受け入れていたが、コロナ禍を経て実習生の減少が顕著になっている。
特に、ベトナムやフィリピン、インドネシアなどの国々は経済成長が続き、日本で働くメリットが減少している。

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加えて、技能実習制度の厳格さや日本円の下落も、今後の労働力確保において大きな障害となっている。
こういった状況が顕著になったのは4、5年前からだ。
コロナ禍での長期間の混乱が続く中で、IT化の遅れやワクチン接種での混乱など、日本が抱える様々な閉鎖的な問題が露呈したが、外国人労働者(技能実習生)の問題はその最たるものとなった。
コロナの影響で飛行機が飛ばず母国に帰れないのに、実習期間が終わったからと杓子定規に法律が適用され、働く場所がなくなるとか、コロナによる経営不振を口実に実習生を解雇するなどの問題が報道された。
行政にも企業にも相応の理由はあると思うが、こういった対応が、現在の外国人労働者確保難に与えた影響は無視できない。
私は2018年にベトナムのハノイにある技能実習生の送り出し機関が併設する日本語学校を視察に行ったが、その時に見た彼らの真剣な眼差しや日本への憧れは忘れることができない。
当時のベトナムの1人当たりGDP(2800ドル)は日本の1/14ほどだった。
現地の物価感覚からすると、日本語学校の学費や渡航費で5百万円位(現地での感覚値)はかかるが、3年間働けば2千万円ほど貯金ができ、地方都市ならば家が建てられるので必死で働いた。
しかし、5年後の2023年には、急激な円安の影響もあるとは言え、1人当たりGDPは日本の34,000ドルに対して、ベトナム4500ドルと1対7.5と大きく縮小した。
10年前には中国人技能実習生が9割を占めていたが、急速に経済発展を遂げた今は3割以下に過ぎない。
経済格差の縮小と閉鎖的・排外的な日本の体質から「イヤな思いをして働く利点はない」とソッポを向かれる日が来つつある。
5年や10年で日本とベトナムの経済格差が埋まるとは思わないが、円安や自然災害を考えると、強い覚悟で外国人労働者の受け入れ体制を作らなければ日本の没落は避けられないだろう。

