嫌な仕事は即やめる合理性

私が日本と海外と往復するデュアルライフを始めたのは2011年で、今のようなセミリタイア生活のスタイルを確立したのは2013年だった。

デュアルライフの始まり

この頃に一番影響受けたのは作家の橘玲で、「生涯現役ならば老後問題は存在しない」、「金融資産がなくても人的資本があれば幸福を得られる」など、たくさんの教訓を得た。

こういった理論を学んだだけではなく、ベストセラーの1つである「永遠の旅行者」の主人公・真鍋恭一のようなライフスタイルに憧れた面もある。

自分で言うのも変な話だが、かなり忠実に橘理論を実践している方だと思う。

橘玲理論の実践

最近の著作「シンプルで合理的な人生設計」の中では、「FIREは経済的独立を達成し、イヤな仕事はサッサと辞めよう(好きな仕事をずっと続けよう)という運動だと考えるべきだ」と述べている。

私はこの考え方に大賛成で、FIREという言葉が有名になる前から実行に移していた。

私は会社勤めではなく自営業者だったので、仕事を辞めたわけではなく、橘玲の言うように「イヤな仕事をやめる」決断をしたのだ。

私の仕事は中小企業やクリニックなどのITサポートやコンサルティングで、その仕事自体は大好きだ。

イヤな仕事からの解放

しかしフルタイム労働やクライアントのわがままに振り回されるような仕事は、同じ内容の仕事でも「大嫌いな仕事」となる。

さらに嫌だったのが、営業のために業界団体の実力者に媚を売ることが苦痛以外の何物でもなかった。

しかし、売り上げを確保するためにはじっと我慢しなければならない期間も続いたが、「こんな連中と付き合っている時間はない」、「こいつらに頭を下げていたら自分が腐る」と考え、ある時点でスパッと付き合いをやめた。

予想した通り、売り上げは減少し新規クライアントの流入も減ったが、自分なりに周到な準備をしていたもので、実際の影響は全くなかった。

固定費を抑えた柔軟な生活

ビジネスモデルでもライフスタイルでも、固定費が高止まりすることが最も危険な状態だ。

私のクライアントの中にも、人を雇うことのリスクを軽視して大勢のスタッフを雇ったり、必要以上のスペースのオフィスを借りるなど、固定費が高止まりしている中小企業やクリニックは非常に多い。

生活固定費の面でも、人付き合いが多ければ交際費も馬鹿にならないし、金銭的な余裕がない時でも無理をして見栄をはらなければならない。

こういった固定費をできるだけ低く抑え、その時の収入状況によりライフスタイルやビジネスモデルを柔軟に変更できることが重要だ。

こういった戦略を10年以上前から実践してきたので、売り上げの減少や新規クライアントの流入減少があっても、収入の減少は最小限に抑えられたし、生活が大きく変わることも全くなく、得たものは何倍も大きかった。

老害役員やパワハラ上司を打倒

何よりもココロが軽くなり、あらゆることが気持ちよく回り始める。

業界団体に蠢く老害役員たちのために無報酬の労働を強いられることもなくなったし、パワハラ役員から「仕事から外すぞ」などと恫喝されることもなくなった。

そういった決断をした瞬間から、「なぜもっと早く決断しなかったのか」と悔やまれてならなかった。

資本主義の黒魔術によって、私たちは知らず知らずのうちに「お金を貯めることが最も大切で、働くのは生活のためだからパワハラにもブラックにも耐えなければならない」という考え方を刷り込まれている。

パワハラやブラックに堪える意味はない

しかし金融資産がなくても、人的資本(稼ぐ力)があれば幸福を得ることができる。

その人的資本を大きくするには、自分のメンタルをいたわることが大切なので、パワハラやブラックに堪える意味はない。

住宅ローンや子育ての支出等の固定費は削ることができないが、ローコストの生活設計はいくらでもできる。

こういった固定費のない一人暮らしの場合であれば、すぐにでも「嫌な仕事はすぱっとやめる」ことが最も合理的な決断となるだろう。