リタイアメントライフの現実
リタイアメントライフと言えば、「デッキチェアでトロピカルドリンク」「クルーズ船での豪華ディナー」などのイメージが浮かぶ。
欧米の退職者たちの定番のパターンだが、日本人で60歳、あるいは65歳からの完全リタイアを計画している人の中にも、似たようなイメージを抱いている人がいるのではないだろうか。
もちろん毎日クルーズ船で生活するなどと考える人はいないと思うが、退職金や貯蓄と年金でリタイアメントライフを構想している人は、円安とインフレの恐ろしさを正視してほしい。
例えば、10年前に行ったベトナムやタイでのリラックスした経験をもとに、「引退したら、ああいうところで暮らしたいなぁ」と思っていると大きな誤算を産むことになる。
東南アジアであれば10年前の2倍、欧米であれば3倍を覚悟した方が良い。
変わりゆく経済環境と年金制度
インフレは日本だけのことではなく、世界中で物価上昇が続いている。それに加えて、日本では急速な円安が進んでいるため、我々の購買力は年々低下しているのだ。
客観的に見ると、今の日本では完全リタイア生活というのは、限られた人だけが可能なライフスタイルだと思う。
年金支給年齢は年々引き上げられ、その上に実質賃金が低下しているのだから、誰が考えても楽でない事はわかる。
そういった状況の中で、唯一、合理的な戦略は、生涯、現役で、セミリタイア・セミFIREを実現することだ。
時間と経験の価値
金銭的な面で65歳や70歳での完全リタイアが無理と書いたが、それだけではなく、人間関係のストレスや仕事に忙殺されて、時間を失ってしまうことの方が影響は深刻だ。
海外での生活だけではなく、趣味や研究でも、これだけネットが普及した今の時代には、自由な時間や経験値こそ最大の宝物だ。
それを失うことを覚悟で「会社にしがみつき、挙句の果てに「永遠の逃げ水」のように、年金支給年齢は遠のき、実質賃金が下がっていくのでは何のための労働かわからない。

新時代のノマド生活のすすめ
私の提唱するセミFIRE生活では、生活コストをできるだけ下げることが重要だ。
決して節約や金銭最優先の生活をしようというのではなく、柔軟に生活レベルを変更することができるライフスタイルだ。
その1つの答えが、新時代のノマド生活だ。
どういうことかと言うと、完全リタイアのような安定収入(実質ではなく、名目金額)があるわけではないので、ときには収入が下がることもあれば上がることもある。
それに合わせて、自分のライフスタイルを変更できるように、ノマドのように世界を渡り歩くのだ。
バックパッカーの中にも、気に入った土地に半年も1年も定住(?)する人がいるが、私の中では、バックパッカー=渡り歩く人、ノマド=好きなところに定住しながら移動する人という定義になっている。
以前であれば、荒唐無稽な戯言だったものが、スマホやGoogle翻訳、Googleマップやエアビーなどの予約システムによって完璧に実践可能なライフスタイルとなったのだ。
私は「経験という宝物」という言葉が大好きで、とにかく自分で行動しなければ、この宝物を手に入れることはできない。
30代40代の若い世代は、「自分には無限の時間がある」と思っていると思う。
それは事実だ。
しかし、今年よりも来年、来年よりも再来年は実質賃金が下がると考えたら、どうだろう。
会社に縛られた人生では未来はない。
フルタイム勤務では時間がない。
日本は低賃金の上に物価が高い。
だから最も合理的な生活は海外セミリタイア生活なのだ。

