タイ現地採用の実態と課題

「タイ+現地採用」というキーワードでGoogle検索をかけると、関連キーワードに「クズ」「悲惨」などの単語が並んでいる。
それに従って検索結果を見てみると、考えさせられる情報がたくさん出てくる。

確かに思い当たるところがある。
私がバンコクで出会った日本人の現地採用社員の中にも「クズ」「使えない」というキーワードに合致するような人が何人もいる。
Googleの関連キーワードに、こういった単語が並ぶ理由はいくつかあると思う。

採用側と希望者のミスマッチ

最も大きな理由は採用する側と採用を希望する側のミスマッチだ。
タイは東南アジアの中でも日本人にとって暮らしやすい国なので、「楽な生活がしたい」、「仕事にあくせくしたくない」と考えている人が多いし、日本での仕事がうまくいかなかった(元々仕事ができなかった)という人も少なからずいる。

一方の採用する側はグローバル企業であり、タイ人ではなく、あえて日本人を現地採用しようとする。理由は、「タイ人には任せられない仕事がある」と考えているからだ。
仕事の種類や内容だけではなく、時間を守る・礼儀正しい・仕事が丁寧などの日本人的気質を求めるが、残念ながらタイで働こうとしている日本人の中には、これらの条件に合わない人も少なくない。

ブロガーと検索キーワードの関係

もう一つの理由はGoogle検索の仕組みだ。
「ブログで稼ぐ」と考えている人たちは、Googleのキーワードツールなどを使ってアクセスが稼げそうなキーワードを探し、その関連キーワードに即したブログを量産しようと考える。
ある時点で偶然に関連キーワードに登場した単語でも、それを見たブロガーたちが、それに即した情報を量産していけば、その関連キーワードが表示され続けることになる。

私の経験した「クズ」現地採用者

しかし「クズ」「悲惨」などの関連キーワードが表示される最大の理由は、「実態通り」なのだと思う。
どれぐらいの割合かはわからないが、おそらく80%の現地採用者はバリバリと働き、採用した側も喜んでいると思う。
現地採用の日本人のうち20%位は、本当に「クズ」なのかもしれない。

この比率が正しいとすれば、仕事で出会う現地採用者を「ハズレ!」と感じる確率は5分の1なので、2人連続で「ハズしたぁ」と感じる事は確率的には極めて少ないはずだ。しかし、私はその25分の1の確率を見事に引き当てた。

言い訳上手の現地採用者

1人目は、バンコクでエアビーの民泊ホテルを経営していた時、エアコンのメンテナンスに来てもらった空調会社の日本人担当者だ。
建物全体で8台あるエアコンのクリーニングや冷媒の定期的な交換などをお願いした。
現場を見てもらったり、契約のために4回ほど来てもらったが、結局は全く仕事にならなかった。
それなりの見積書や契約書を持ってくるのだが、本人が約束の日時通りに来る事は殆どなく、「実際のメンテはタイ人の職人が来ますから」と言ったあとも、実際に職人が来る事はなかった。

その都度、「渋滞で」「急な仕事が入って」「ちょっと体調崩して」などの理由を伝えてくるが、最後は「折り返しご連絡します」というLINEで終わっている。

2人目は、同じ民泊ホテルのシャワーの水圧が弱かったのを直してもらおうと頼んだ水道関係の業者だ。ある人から紹介してもらったのだが、「水回りのプロ」ということで、それなりの期待をしていたのだが、こちらも残念な結果だった。
2回ほど来てもらって配管の状況やポンプ等を見てもらい、「次回、水圧に強くなるパーツを用意してきます」と言ってくれた。

ポンプに取り付ける何か圧力を高めるパーツがあるのかと思ったら、彼が持ってきたのはホームセンターで売っている2000円位の誰でも買える「強圧シャワーヘッド」だった。

現地採用者のビジネス能力の課題

痩せてもかれても、私は日本で自営業者を20年以上やっているし、海外で数百万円を投じて民泊ホテルを経営しようとしている人間なのだから、ホームセンターのシャワーヘッドぐらいは知っているし、そんなものを求めているのではない。

続けてこういった出会いになったのは偶然なのだろうが、いま思うと、2人とも「日本では仕事ができない」人たちだった事は間違いない。
コミニュケーション能力や仕事を処理する能力など、明らかに他の現地採用の人たちに比べれば劣っていた。

タイには日系企業や日本人経営のレストランなどが多数あり、それらの会社の日本人社員の需要は少なくないので、こういったダメ社員でもとりあえずは採用される場合が多い。

しかし、もともとのビジネス能力が低い場合は、日本であれ海外であれ、やがて壁にぶつかり「失意の帰国」か「現地沈没」のどちらかに行き着くことになる。