橘玲の「シンプルで合理的な人生設計」の前書きには、「合理性とは投入した資源(リソース)に対して、より多くの利益(端)を得ることと定義できる」と書いてある。
合理的な人生設計とは
非常にシンプルでわかりやすい定義であり、このことから早期にサイドFIREを実現するための合理的な戦略を考えることができる。
パワハラや長時間労働に耐え、自分の体や心だけではなく、大切な家族との時間も犠牲にして得られた幸せの量と、その全く反対の生き方をして得られた幸せの量が同じであれば、誰が考えても後者の方が良いに決まっている。
得られる幸せの量が半分だとしても、おそらく後者の方が合理的な生き方だろう。
時間軸で考えてみた場合も、同じ量の幸せを70歳で入れるのと50歳で得るのでは、後者の方が幸せだ。
労力と幸福のバランス
得られる幸せの質量が半分だとしても、やはり後者の方が合理的だ。
とにかく失ったものと得たモノのバランスなので、得られるものとそこに投入する労力や犠牲にする時間のバランスを考えることが合理的な考えになる。
物質的な幸せであれ精神的な幸せであれ、それを享受したりその幸せに浸る時間がなければ意味がない。
そう考えると、自分が得たい幸せと、それを得るために投入しなければならない時間や労力を真剣に考えることが必要だ。
インフレ時代の生活設計
65歳の年金支給開始年齢が70歳まで上がったとして、会社勤めで年収の半分を税金と社会保険料に吸い上げられ、挙句の果てに70歳になった時にはインフレと円安で金融資産の実質価値が低下していたのでは、何のために膨大な時間と労力を投入したのかわからない。
デフレが続いた平成の30年間のように、今の百万円が10年後も百万円であれば、何も時間軸を考える必要はない。
とにかくコツコツと働いて、コツコツとお金を貯めればよかったのだ。
しかしインフレと円安が同時に進む状況になり、今の百万円が10年後には50万円に減価する時代になってしまえば、果たしてこれまでの生活設計が正しかったのかどうか疑わしい。
ネットで調べれば早期FIREを実現する方法とか、アーリーリタイアメントの戦略などの情報がたくさん出ているが、それらの殆どは「いくら貯めれば良いか」「どうすれば低予算でFIREできるか」というなことしか書いていない。
もちろんそれも大事なことだが、最も合理的戦略は「最小の労力でゴールに到達すること」を考えることだ。
お試し体験の重要性
そのためにはゴールを明確にしなければならない。
海外でのサイドFIREにせよ、セミリタイアにせよ、ゴールとなるライフスタイルが明確でなければ、それを最小限で実現するための戦略が立つワケがない。
殆どの場合、そのイメージは映画で見た光景や、人から聞いたもの、あるいは3泊4日の海外旅行で経験したことなど、およそ実感に乏しいものばかりだ。
リタイアメントの生活というのはそんなに単純なものではなく、時間の制約や人間関係の制約から解放されてみたら、全く違う自分を発見するということもある。
だからサイドFIREやアーリーリタイアを目指すのであれば、「お試し体験」が絶対に必要だ。
もちろんフリーランスと会社勤めでは、それができるかどうかに大きな違いがある。
フリーランスや自営業者の場合は、思い切って2週間とか3週間のお試し体験をしてみるべきだ。
海外生活とは関係なく、例えば農業に打ち込みたいとか、あるいはアウトドアライフに浸りたいなど何でも良いので、一時的な娯楽体験ではなく、「セミリタイアライフとしての実体験」という感覚で取り組んでみた方が良い。
私が提唱している、物価の安い海外でのんびりと暮らすライフスタイルをお試し体験をしてみると、殆どの場合「思ったよりもお金がかからない」ということに気づくだろう。
海外で時間を持て余す場合もある
それと同時に膨大な時間を持て余す場合もあるし、自分の弱さに気づく場合もある。
お金の問題がないとしても、健康管理や自己間に失敗してメンタルを痛めたのでは意味がない。
もちろんお金の管理や浪費を抑えるなどの節制ができなければ、あっという間にセミリタイヤライフは破綻してしまう。
だから短期間でも良いのでお試し経験をして、本当に自分が望むライフスタイルや幸せのゴールをの形をはっきりとさせることが大事だと思う。
会社勤めの場合でも、有給や連休などをうまく使えば9連休や10連休を取ることができる。
それを年に2回ずつ、2~3年繰り返せば十分なお試し体験となる。
