急激な円高への備え

ズルズルと円安が続き、海外で両替をするために暗たんたる気持ちとなる。

何とか早く円高に戻ってほしいと願っているのだが、為替の事だけは誰も予測ができない。

ただ、私はどこかの時点で円高に反転することも充分あると考えている。

それが何年も続くような事はないと思うが、半年から1年位、140円台の円高に反転するような事は十分にあり得ると思う。

粘着性の円安が続く現状

これは単なる願望ではなく、いまFXの世界で主流となっている「円安差益とスワップポイントの両取り」という戦略が、理論的に間違っていると考えているためだ。

日経新聞などでも「日米の金利差による円安ドル高」などと説明しているが、この理屈は金利差がある限り永久に続くものではない。

そもそも金利というのは、「それだけの金利を払わなければ、その通貨を買ってくれる人がいない」という側面もある。

例えば高金利通貨の代表格であるトルコリラやブラジルレアルは、長期的にはドルに対してどんどん安くなっている。

「金利差によるトルコリラ買い・ドル売り」というポジションを組む投資家が多数を占めても良いはずだが、結果はその逆になっている。

金利差と通貨の信頼性

通貨でなくとも、例えば高配当銘柄と呼ばれる株式は、見方を変えれば「それだけの配当をしなければ、その会社に投資してくれる人がいない」と見ることもできる。

だから高金利通貨とか高配当株は、無条件で買って良いものではないのだ。

FXでは、1ドル150円で円を売ってドルを買った人(ミセスワタナベ)の反対側には、100円を0.68ドルで買っている投資家がいるのだ。

黙っていても4%の金利がつくドルを売って金利のつかない円を買うのは、その投資家が将来の円高を予測しているからだ。

もちろん、為替相場は金利だけで動くものではないし、高金利のドルと高金利のトルコリラやブラジルレアルを同列に扱うのは正しくない。

円高への備えと投資戦略

円とドルの通貨としての利便性は間違いなくドルの方が高く、円に対する信頼が低下していると考えれば、金利差がなくてもドルが買われることになる。

利便性が高く安定性がある上に金利差があり、スワップポイント(金利収入)が稼げるのであれば、多くの投資家が円売り・ドル買いのポジションを組み続けることになる。

しかし、世界最強の通貨であるはずのドルの購買力は確実に低下している。

一時ほどではないにせよ、アメリカのインフレ率は3%以上と高止まりしており、1ドルで買えるものの量は年々3%ずつ減っているのだ。

それでもドル高・円安が続くのは、多くの投資家が日本円の将来性に不安を持っているからだ。

メリットの方がはるかに多い

情報革命に乗り遅れ、世界一の借金を背負っている国の通貨を信頼する投資家が少ないのは納得できる。誰が考えてもドルを持つことのメリットの方がはるかに多い。

マイナンバーカードですら導入できない国が、情報革命の波に乗れるはずはない。

残された手段は、人為的にインフレを起こして莫大な借金を「帳簿上で帳消しにする」以外にはない。
そうなれば、円の価値はさらに低下し、歯止めのない円安が進む事は間違いない。

それらの動きは一本調子で進むわけではなく、どこかで大慌てをした金融当局が思い切った円高政策を取らざるを得ない局面が来る。

そういった時に、短期間ではあるが急激な円高の巻き戻しが起こる事は想定しておかなければならない。

それは同時に、私たち個人投資家が外貨建て資産を持つ最後のチャンスとなるかもしれないのだ。