東南アジアで好きな仕事をして暮らす

ストレスと東南アジアでの生活

東南アジアでのリラックスした生活は、理想的な癒しの環境を提供する。
私自身は、50歳の頃にはバンコクでの生活が始まっており、
東南アジアのユルい雰囲気がストレスを溶かしてくれたのを実感している。

年間を通じて温暖な気候は、落ち込んだ気分の改善や免疫力の向上(多分)が期待できる。

満員電車での通勤、長時間労働、頻繁な残業といった日本の典型的なストレス要因から解放される。 代わりに、自分のペースで生活でき、質の高い睡眠やリラックス時間を確保できる。

東南アジアの多くの国では「マイペンライ(気にしない)」「ケセラセラ(なるようになる)」といった、細かいことを気にしない文化的価値観がある。
日本での完璧主義的な文化で痛めつけられた心には、このユルさが癒しとなる。

少し別の見方をすると、現地の辛い料理が多い食文化もストレス解消に効果的なようだ。
ローカルフードに含まれるカプサイシンがエンドルフィンの分泌を促してストレス軽減効果があるらしい。
果物や野菜が激安で、栄養バランスの改善だけでなく、値段を気にせずに、野菜や果物を爆食できるのも嬉しい。

激安といえば、マッサージも特筆ものだ。
日本では30分のマッサージでも5000円以上かかるが、タイやカンボジアでは1時間でも1000円でガッツリと堪能できる。

ただし、東南アジアの生活にもそれなりのストレスがある。
言語の壁、文化的誤解、インフラの不備、医療体制への不安など。
これらは海外セミリタイア生活の根本部分なので、自分の全知全能をかけてクリアしなければならない。

「環境の違いを素直に受け入れて」とか「これこそが異国情緒」などと甘い考えでいると、1年や2年は良くても、ただ単に「東南アジアに沈没」しただけの人生で終わってしまう。

好きなことを仕事にする意味

セミFIREを達成すると経済的制約から解放され、純粋に「好きなこと」を仕事にすることが可能となる。 単なる趣味の延長ではなく、フリーエージェントとして一段高いレベルに達することができる。

高収入とか社会的地位、あるいは周りからの評価よりも、満足感や達成感といった自己実現のプロセスを重視できるようになる。

これはフロー状態の経験にもつながる。

好きなことに取り組んでいる時に訪れる、時間を忘れて没頭する状態は経験したものにしかわからない。単に気持ちが良いと言うようなレベルではなく、その時は自分でもわからないような状態だ。

私は、かつて歯科医院で使う患者用の画像管理ソフトを開発していた時に、これを味わったことがある。 数ヶ月経った後に、自分で書いたプログラムの中に書いてあるコメントを見て驚いた。
どう考えても2週間か3週間かかる分量のプログラムなのに、間違いなく2日か3日で書き上げているのだ。

承認欲求が満たされることも重要な要素だ。
好きなことを仕事にして、さらに承認欲求も満たされるのならメンタルも健全に保たれる。

ただし、承認欲求にとらわれすぎることは危険だ。
他者の評価ばかりを気にして自分らしさを失ったり、
過度に承認を求めて疲弊したりしては本末転倒だ。

好きなことを仕事にしていると既存の枠組みにとらわれない斬新なアイデアが生まれやすいことは誰でもわかると思うが、従来は、ほぼ100%アイデア通りに終わって、それが欲求不満につながったりもしていたが、AI革命の爆発により、アイデアを形にすることが劇的に簡単になった。

従来は「好きなだけでは仕事として成立しない」というのが、古い体制の中に安住している人たちの定番の回答だった。
しかし自分の情熱と市場のニーズを適切に組み合わせることで、持続可能なビジネスモデルを構築できるのだ。