為替変動対応と生活水準最適化
しかし、実際は順風満帆ではない。
コロナ禍でヘリコプターマネーが撒かれたため起こった急激な円安で、
筆者の経験ではタイバーツでの生活費が実質的に35-50%も高くなった。
1バーツ3.3円だった時期から4.6円程度まで円安が進んだためだ。
そのため外貨建て資産の重要性を感じている。
しかし為替の予測は不可能で、円高・円安の両方を考慮したポートフォリオ組み立てが重要だと考える。

実際の対応策として、円安時には価格重視の生活にシフトし、円高の時には多少の贅沢を楽しむという柔軟性を持っている。
また、現地通貨での収入源確保も重要で、為替リスクの分散を図っている。
生活水準の段階的調整
筆者は生活水準を自分なりに三段階に分けて管理している。
ベーシック(月10万円)
スタンダード(月15万円)
プレミアム(月20万円)
というような設定で、為替動向や収入状況に応じて調整する。
ベーシックレベルでも、日本の大学生の一人暮らしより快適な生活が可能だ。
1LDKのコンドミニアム、プール・ジム利用、週数回の外食、基本的な娯楽など、必要十分な生活ができる。 これが日本なら月30万円は必要な水準だろう。
贅沢と節約のメリハリ術
「国内では節約、海外では贅沢」の実践:私の三大特技は「マイル集め」「リモートワーク」「ローコストライフ」の三つで、これで早期の海外セミリタイアライフを成功させた。
日本と海外で半分ずつ生活することで、同じレベルの生活を低コストで行える。
マイルを駆使して好きな時に好きな国で暮らすことができれば、贅沢と節約の使い分けができる。
具体的な贅沢の例を挙げると、筆者はバンコクで月1-2回はアイルランド人の英語の先生と欧米人向けレストランでの食事も楽しんでいる。
日本円では1人5000円程度で、料理も接客も日本の中・高級レストランと同等のレベルだが、何と言っても雰囲気が違うし東京のような狭苦しさがないのが最高だ。
その一方、日本滞在時は徹底的に節約している。
外食は控え、交通費も最小限に抑える。 この使い分けにより、年間を通じた生活費を抑えながら、生活の質は向上させている。
ローカル価格と観光価格の使い分け
節約が目的ではないのだが、結果的には「何もしないし、お金を使わない」という究極の贅沢ができる。 東南アジアでのリラックスした生活では、必ずしも高額な支出が必要ではない。
筆者が実践しているのは、日常生活はローカル価格、特別な時には観光客価格という使い分けだ。
例えば、普段の食事は現地の屋台や食堂(1食200-400円)を利用し、友人と会食する時などは日本食レストラン(1食1500-3000円)を選ぶ。
現地価格での生活でコスパを追求
現地価格での生活を実現するには、現地のコミュニティとの関係構築が重要だ。
例えば、近所の市場では「常連の外国人」というような扱いをしてもらっているので、果物や野菜を大幅に安く購入できる。
また、コンドミニアムの管理人とも関係が良好で、修理や困りごとは無料で対応してもらえることが多い。
コストパフォーマンスの徹底追求
無理な節約をすると、何のためにローコストライフを送っているのか分からなくなるので、極端な節約は絶対にしない方が良い。
単純に安いものを選ぶのではなく、コストパフォーマンスを重視することだ。
筆者が重視するのは「時間当たりの満足度」だ。
安いが質の悪いサービスに時間を浪費するより、適正価格で高品質なサービスを選ぶ。
例えば、格安航空券でも快適性を犠牲にしすぎない範囲で選択し、宿泊施設もレビューを詳しく確認して選んでいる。
「稼いだお金が3倍の価値を生む」戦略は、単純な節約術ではなく、購買力格差を活用した生活最適化手法だ。
最低生活固定費を抑えながら東南アジアでのリラックスした生活を実現するには、為替変動への対応、贅沢と節約のメリハリ、現地価格での生活術が重要だろう。
フリーエージェントとしての働き方と組み合わせることで、従来の常識を覆す豊かな生活が可能になると確信している。

