海外セミリタイアの究極形とも言えるのが、季節に応じて複数の国を移住する「季節移住」だろう。
筆者は2019年から本格的にこの戦略を採用し、年間を通じて最低生活固定費を抑えながら、フリーエージェントとしての働き方を活かして各地を移住している。
この戦略の最大のメリットは、一年中快適な気候の中で生活できることと、一つの国のビザ制限に縛られないことだ。
特に東南アジアでのリラックスした生活を中心に据えながら、日本の夏を避けてタイ、雨季を避けてベトナム、乾季にカンボジアといったローテーションを組むことで、常に最適な環境で過ごすことが可能になった。
ただし、この戦略には綿密な計画と、荷物の最小化、複数拠点でのコスト管理など、様々な工夫が必要だ。
実際の経験を基に、実践的な季節移住の方法を紹介したい。
年間スケジュールと固定費最適化
最低生活固定費を軸とした拠点配分
季節移住の成功には、最低生活固定費の概念が重要だ。 筆者の場合、年間を通じて必要な最低固定費は月8万円程度に設定している。 これは住居費、食費、通信費、保険料など、生活に最低限必要な費用だ。
この固定費を基準に、各拠点での滞在期間とコストを計算している。 例えば、タイでの固定費が月10万円、ベトナムで月7万円、カンボジアで月5万円だとすると、年間平均で月8万円になるような配分を考える。 具体的には、タイ4ヶ月、ベトナム4ヶ月、カンボジア3ヶ月、日本1ヶ月という配分だった。
フリーエージェント型スケジュールの構築
フリーエージェントとしての働き方を活かすには、仕事の繁忙期と移住タイミングの調整が不可欠だ。 筆者の場合、日本企業とのプロジェクトが多いため、日本の年度末(3月)や年末(12月)は日本に滞在するか、時差の少ない東アジアに位置するようにしている。
逆に、日本のゴールデンウィークや夏休み期間は、現地でのプロジェクトに集中できる東南アジアでのリラックスした生活環境を選ぶ。 この時期は日本企業の動きも鈍くなるため、新しいスキル習得や現地でのネットワーク構築に時間を使えるだろう。

ビザ制限を考慮した年間設計
各国のビザ制限も年間スケジュール設計の重要な要素だ。 タイは観光ビザで年間最大180日程度、ベトナムは90日、カンボジアは30日(現地延長可能)という制限がある。 これらを組み合わせることで、長期ビザなしでも年間330日程度の海外滞在が可能になる。
筆者は毎年1月にスケジュール表を作成し、各国の滞在日数がビザ制限を超えないよう管理している。 また、予期しない事態に備えて、30日程度のバッファーを設けることも重要だろう。

