タイの最低賃金の推移と物価上昇の現実
2025年から、タイの最低賃金が400バーツに引き上げられることが決まった。
私が初めてバンコクを訪れたのは10年前で、
その頃の最低賃金は300バーツだった。
単純計算をすれば、10年で1.34倍になったことになる。

10年前のタイバーツは日本円で3.3円位で、
全く関連性のない数字だが、
現在のタイバーツは4.5円前後だから、
偶然にもこちらも1.34倍になっている。
最低賃金と消費者株価は連動するので、
感覚的には1.34のニ乗で、
タイの物価は10年前の1.8倍になったことになる。
これは全体での話で、急速に都市化が進むバンコクの市内での感覚では約2倍というのが正直なところだ。
それでも、まだ日本に比べれば物価は安く、
バンコク市内の交通の便が良い場所でも、
低予算でのセミリタイアライフが可能だ。
以前にも書いたのだが、
その国の大都市中心部での生活は、
その国の大卒初任給1ヵ月分あれば、
基本的な生活と言うか、可もなく不可もない普通の生活が送れると考えている。
日本の2024年の大卒初任給23万円で、
例えば東京であれば、ワンルームマンションを借りて、
普通の独身サラリーマンの生活を送ることができる。
豊かではないが決して貧しくもない生活だ。
タイの大卒初任給は16,000バーツ(72,000円)なので、
感覚的には日本の3分の1位と考えて良いだろう。
しかし、この数字も全国平均の数字なので、
バンコク市内の場合は2割増の85,000円位を目安にすれば良いと思う。
柔軟なノマドライフで物価上昇に対応する
私が初めてタイに来た2014年頃は、
「物価は日本の3分の1以下」が通り相場だったが、
今は「都市部の場合は日本の4割」という感覚だ。
いずれにせよ、まだ十分に安いと言えるのだが、
過去10年を振り返ってみて2倍になったのだから、
今後10年のことを考えると恐ろしくなる。
先ほど計算した85,000円が、10年後に1.8倍の156,000円となるわけだから、もはや「それでも、まだ安い」と言えるほどのレベルではなくなる。
もっとも、こういった事態は最初から織り込み済みで、
私はいくつかの対策を立てている。
1つは物価上昇や円安に合わせて、柔軟に自分のライフスタイルを変更できる仕組み作りだ。
1つの都市や1つの居住地にこだわらず、
物価が安く住みやすい場所を探しながら、
「緩やかなノマド生活」を送ることだ。
1つの場所に根を下ろしてしまうと、なかなか別の場所に移動することができなくなる。
そのため、私は1年に1、2回は近隣のプノンペンやビエンチャン、ベトナムのホーチミンシティーなどを訪れて、物価水準や生活レベルなどを体験している。
日本の医療と人的資本メンテナンスの重要性
もともと私は「セミリタイアライフは移住ではなく、デュアルライフ」という主義で、1年の半分を海外で、残りは日本で生活している。
一年の半分を日本で生活する意味は、世界最高水準の医療を世界で一番安い費用で受けることができること、もう一つは日本円を稼ぐ力を衰えさせないためだ。
私のビジネスモデルはリモートワークだけで、
世界中どこにいてもできるように仕組みを作っている。
しかし、日本にいる何人かの外注先のメンバーや、
会社の秘書とは、やはり定期的にリアルタイムで会った方が仕事が円滑に進む。
そして、人的資本を保つための定期的な健康診断や治療は日本の医療に頼る方が確実だ。
こういった形で自分の稼ぐ力(人的資本)のメンテナンスを続けるのが、円安や現地のインフレが進んでもFIREを続けるためのする2つ目の対策だ。

