「国内節約・海外贅沢」の法則
この法則は私のセミリタイア生活の核心部分だ。
日本にいる時は質素に暮らし、海外では相対的に贅沢な生活をする。
これにより、トータルの生活費を抑えながらも、人生の満足度を最大化できる。
日本での節約は固定費の削減から始まる。
家賃の安い郊外に住む、車を手放す、不要なサブスクリプションを解約する。
一方で、海外旅行や語学学習、スキルアップには惜しまず投資する。
これらは将来の海外生活に直結する投資だからだ。
海外では現地の物価水準に合わせて生活する。
バンコクで月5万円の賃貸アパートは、日本なら15万円以上の価値がある。
タイ料理の屋台で100バーツ(約450円)の夕食は日本なら1000円以上の満足度がある。
このコストパフォーマンスの差を活用する。

ただし安全性や健康面では妥協しない。
医療保険はしっかりとかけ、住居も一定の安全基準を満たした場所を選ぶ。
食事も衛生面に注意し、必要に応じて日本食材も購入する。
節約と安全性のバランスが重要だ。
年間を通してみると、日本での節約期間が海外での贅沢を支える構造になっている。
このメリハリにより、一年中ずっと節約生活を続けるストレスから解放される。
精神的な余裕も、このライフスタイルの大きなメリットだ。
デュアルライフの実践論
デュアルライフとは二つの拠点を持つライフスタイルだ。
ただし、これは単純に住居を二ヵ所持つことではない。
それぞれの拠点で異なる役割を果たし、相互に補完し合う関係を築くことだ。
どういうことかと言うと、日本拠点では「稼ぐ」機能を重視する。
一方、海外拠点では「暮らす」機能を重視する。
リフレッシュ、学習、創造的活動、人間関係の構築。
身の回りの荷物や所有物の管理も重要な要素だ。
両拠点にそれぞれ必要最小限の物だけを置き、移動時の荷物を最小化する。
衣類は気候に合わせて現地調達し、電子機器は国際対応のものを選ぶ。
重要な書類はクラウドに保存し、本はKindleで、どこからでもアクセスできるようにする。
デュアルライフの成功の鍵は、「どちらも中途半端にならない」ことだ。
それぞれの拠点での時間を有効活用し、明確な目的意識を持って行動する。
ただ移動しているだけでは、コストと時間の無駄になってしまう。
季節移住という選択肢
季節移住はデュアルライフの発展形だ。
気候や季節に合わせて最適な場所に移住することで、一年中快適な環境で過ごすことができる。
日本の四季はそれぞれ美しいが、現代の都市生活では季節感を感じにくくなっている。
猛暑の夏をエアコンの効いた室内で過ごすより、涼しい高原や海外で過ごす方が健康的だ。
逆に、桜の季節や紅葉の時期は日本の美しさを満喫する。
東南アジアの場合、乾季(11月-4月)と雨季(5月-10月)がはっきりしている。
乾季は観光シーズンで物価も上がるが、雨季は料金が安くなり長期滞在に適している。
日本の夏と東南アジアの雨季が重なるのは、まさに理想的なタイミングだ。
季節移住を実践するには、複数の拠点候補を確保しておく必要がある。
タイ、ベトナム、カンボジアなど、それぞれ特徴が異なる国々を使い分ける。
また、北半球と南半球を組み合わせれば一年中春や秋の気候で過ごすことも可能だ。
健康面でのメリットも大きい。花粉症の時期は海外で過ごし、冬の寒さで体調を崩しやすい時期は温暖な地域で過ごす。
紫外線の強い夏は屋内で過ごし、適度な日光浴ができる時期は屋外活動を増やす。
ノマドワーカーとの違い
デジタルノマドという言葉が一般的になったが、私が提唱する「1年の半分を海外で」というライフスタイルは、従来のノマドワーカーとは微妙に異なる。
最大の違いは、「腰を落ち着けること」だ。
ノマドワーカーは常に移動し続けるが、私のスタイルでは一つの場所に数ヶ月単位で滞在する。
これにより移動コストや時間も削減できる。
収入構造も異なる。一般的なノマドワーカーは、海外からでも可能な仕事(ライティング、デザイン、プログラミングなど)がベースとなるが、AI革命の爆速の進行により、これらのうちの多くはビジネスとしては成り立たなくなるだろう。
同じリモートワークでも、AIで置き換えることができないような付加価値を高めるためには、コンサルティングや講演などの高単価な仕事が必須で、そのためには、やはりリアルな人間関係や人脈が重要となる。
ライフスタイルの安定感も重要な差だ。
常に移動し続けるのは、若いうちは刺激的で楽しいが、40代以降では疲労が蓄積しやすい。
「1年の半分を海外で」というリズムは、刺激と安定のバランスが取れている。
最終的に、これは「セミリタイア」であって「フルタイムのノマド」ではない。
働く時間を削減し、人生の主導権を取り戻すことが目的だ。
そのための手段として、地理的・時間的自由を活用するのである。
年齢を重ねても持続可能なライフスタイルを設計することが重要だ。
20代・30代の体力任せの生活ではなく、40代以降の知恵と経験を活かした、より洗練されたライフスタイル、それが「1年の半分を海外で」という選択肢なのだ。

