海外旅行から日本に戻ってきた時に、「ホッとしました」「やはり日本はイイですね」と感じる人が多い。
私も日本に戻ってきた時には「帰ってきたなぁ」と、ホッと一息つくことが多い。
親しい友達とリアルに会えるとか、行きつけの定食屋の日替わり定食が食べられるなど、日本ならではのリラックス感は格別だ。
「青信号の時に横断歩道を安心して渡れる」、「電車は定時に発車して定時に到着する」など、日本は本当に住み心地が良い。
だから社会保険料を含めた給料の天引きが40%を超えるような高負担も、「その安全や住みやすさのコスト」と考えることもできなくはない。
日本の住みやすさと高負担
しかし貧富の格差は年々拡大し、上級国民・下級国民の分断は拡がっていく。
大多数の中間層は今の生活をなんとか維持しようと汲々としているが、1人、また1人と力尽きて貧困層に落ちていく。
よく「日本は理想的な社会主義国」と言われることがある。
国民皆保険制度や年金制度も、今の時点では堂々と世界に誇れる水準だ。
しかし、それが持続可能と考える人は1人もいないだろう。
少子化や高齢化が予測を超えて進んでおり、どこかで必ず臨界点を迎えることになる。
そうなれば先送りしてきた様々な矛盾が一気に吹き出すことになり、何が起こるかわからないが、少なくとも今の「ぬるま湯のような、何もしなくても何とかなる」という社会が変わることだけは間違いない。
若い世代の多くは、「何かおかしい」、「自分たちは損をしている」と感じながらも、年金を受給する側の団塊の世代や、それに続く60歳以上の「年金までアト少し」という世代が守旧派となり、若い世代の不満を力ずくで押さえつけている。
インフレの影響と財政破綻のリスク
私が予測しているように、2025年から29年の間に財政破綻のXデーが来るかどうかわからない。
なぜならば、国家には「インフレ」という最終・最強兵器が残されているからだ。
1300兆円の膨大な借金も、100%のインフレを起こせばアッという間に半減させることができる。
2022年から、日本にとっては30年ぶりのインフレが始まったが、それに合わせて多くの企業では増収増益となり、株価も大きく伸びた。
霞ヶ関の官僚たちは「インフレによる借金減額効果」を理屈や理論では知っていたが、実際に経験したことがなかった。
しかし、インフレの威力を目の当たりにして、「消費税増税よりもこっちのヤリ方の方がイイんじゃないか」と思うに違いない。
歴史を振り返れば、どんな国家でもこの方法で財政破綻の危機を乗り越えてきた。
だから財政破綻の可能性が低くても、インフレの可能性は100%に近いのだ。
インフレが起きれば株や不動産が値上がりし、そういった資産を持たない下級国民はさらに貧困化していくことになる。
資産防衛のための人的資本の重要性
だからといって、慌てて不動産を購入したり株式を購入したりしても、長期的な戦略がなければ必ず破綻する。
これから金利が上がるという時に、住宅ローンを変動金利で借りるような自殺行為は絶対にやめたほうが良い。
また、小額から始められる株式投資にしても、これまでのような右肩上がりの上昇が続く事はなく、2、3年に一度の周期で大きな暴落を繰り返すことになる。
資金に余裕のない場合は、そういった暴落のたびに損失を抱えて持ち株を売却することになる。
その損失が、すべて上級国民の利益となって蓄積されていくのだ。
だから「インフレが続き、金利が上がる時代」の資産防衛戦略は、不動産購入でも株式購入でもない。
人間の幸福を形成する3つの資本のうち、最も強力で最も手軽に蓄積することのできる人的資本の最大化こそが唯一・最強の戦略となるのだ。
