42歳という転換点の意味
FIREを始めるのは早ければ早いほど良いというものではない。
だからといって、遅ければFIREの「R」と矛盾するので、遅過ぎてもダメだ。
私の持論は「42歳以降であれば、早ければ早いほど良い」というものだ。
以前にも書いたが、42歳未満では経験値が少なすぎることと、何よりも残りの人生が長すぎる。
41歳と42歳では1年しか違わないのだが、私の人生7年刻み哲学で42歳から始まる7年間は人生第7期となり、基本人生期間である84年間(7×12期)の折り返しにあたる。
完全FIREの理論的限界
日本の衰退がはっきりして円安とインフレが始まってしまった以上、何千万円の貯蓄があろうとも、FIREの定義である「早く仕事を辞める」ということは理論上不可能だ。
年金制度の根本であるマクロ経済スライドという仕組みは、「インフレとともに年金の実質価値が下がっていく」という制度であり、決してインフレと連動して年金が増えるわけではないのだ。
このままマクロ経済スライドが続くと、20年間で16%も実質価値が低下するのだ。

この試算はインフレ率をわずか2%として計算している。
既に足元では3~5%のインフレが始まっており、さらにこれで収まるという保証は無い。
サイドFIREという現実解
完全FIREが理論的に不可能であれば、働きながらFIREを実現するサイドFIREが唯一の道となる。
FIREの正しい定義は「経済的自立を得て、できるだけ早く嫌な仕事から解放される」ということだ。
嫌な仕事というのは、仕事の内容だけではなく、職場環境や通勤時間、そこで強制される人間関係など全てを含んだものだ。
FIREを目指している人は不労所得お金のことを第一に考えるが、発想を大きく転換して「蓄えるお金はセーフティーネット」と捉え、それがいくらなのかを真剣に考えるべきだ。
住居と医療の重要性
平均的な年金をもらえる見込みがあり、なおかつ住居の心配がない場合は、サイドFIREは極めて簡単だ。
私は日本と海外を往復する生活を送っているが、日本の住居はしっかりと確保している。
なぜかと言えば、世界最高水準の日本の医療介護サービスを受けるためには、日本の住民票がなければいけないし、そのためにはなんといっても住居が必要だ。
それさえあれば、後は何とかなる。
FIREは「そうなれれば良いな」という夢や願望ではなく、 橘玲が言っているように、「何もしなければ転落する」という残酷な世界での「社畜のままでいたら自分が壊れてしまう」という真剣な生き残り戦略なのだ。

