日本はなんでも安い国
90年代の日本はアジアの中で一人勝ちの経済大国であり、都市の競争力や企業ランキングでも上位を独占していた。
それが今や逆転し、各国の富裕層にとって日本は“お得で安いな国”になりつつある。
こうした状況に直面して、私たちも資産の価値を守る戦略を再考する時だ。
彼らが日本に殺到している理由は、ただ単純に「物価が安い国」だからだ。
1990年代に日本の1人当たりGDPが世界で5-6番目だった頃、日本より上位のスイス以外の国は全て中東の産油国だったので、実質的には世界第2位だった。
当時はアジアの都市競争力ランキングや企業ランキングを集計する場合は、殆どの場合は「日本を除いて」集計されていた。
何故かと言えば、日本を含めてランキングを集計した場合は、どんな指標も上位は日本の各都市や大企業が独占してしまうからだ。
確かに、当時のアジアでは日本はダントツの経済大国で、中国にせよ、韓国も香港も台湾も東南アジアも、すべて日本から見れば物価の安い国(地域)だった。
しかし、今ではそれが逆転し、各国・地域の富裕層は「日本は安くて貧しい国」と感じている。
歪んだ自尊心が崩れたあとは
かつて日本は欧米に追いつき追い越せをスローガンに、「ウサギ小屋に住むエコノミックアニマル」と呼ばれ、がむしゃらに働いていた。

その一方で、「日本はアジアの盟主」、「日本は別格」といった勘違いにより、アジアの国々や地域に対して見下した態度で接していた。
ところが経済の低迷により、それらの歪んだ自尊心が崩れ始めると、中国や韓国がやること為すこと、何をやっても「陰謀だ」「データが信用できない」などと、およそ子供じみた反応しかできなくなる。
欧米におけるアジア人ヘイトのニュースを見て、「中国人は大変だろうね」とか「ベトナム人、可哀想だね」と、まるで他人事のように受け止めている人たちがいるが、日本人も100%アジア人蔑視の対象なのだ。
貧しくなったとは言え、日本はいまだに世界一の対外純資産国だし、社会インフラなども満足できるレベルなのだが、残念ながら精神的にはかなり貧しくなってしまったようだ。

