完全リタイアに潜む落とし穴
多くの人々が労働からの完全な解放を夢見てFIREを目指すが、
そこに潜む心理的な落とし穴を見落としてはならない。
仕事を手放した直後は一時的な解放感に満ち溢れるものの、実際に完全リタイアを果たした人の多くが、
しばらくすると予想もしなかった深い虚無感や社会からの疎外感に悩まされるという現実がある。
45歳でFIREを達成した知人の変化
私の知人の中にも、45歳という若さで完全FIREを達成した人物がいる。
最初の1年間は世界中を旅行し、自身の趣味に没頭するなど、まさに理想郷のような生活を謳歌していた。
しかし、2年目に入ると状況が一変した。
「自分は社会に何も貢献していないのではないか」という強い思いに囚われ始めたのだ。
生活を送るのに十分な資産を保有しているにもかかわらず、むしろ会社員として働いていた時期よりも強い将来への不安を感じるようになったという。
人間は本質的に、社会とつながることで生きる
人間は本質的に社会的な生き物だ。

仕事を通じて社会と繋がり、何らかの価値を提供し、他者から承認を得ることは、単なる金銭的収入以上の深い意味を持っている。
完全リタイアは、この人生における重要な要素をすべて取り除いてしまう。
特に40代や50代といった、心身ともに働き盛りである年齢層において完全リタイアを選択することは、
目的意識の喪失を招き、むしろ人生の充実度や幸福度を著しく下げるリスクがあると言わざるを得ない。
